英語の動詞・助動詞である「be」は、できるだけ早くマスターしておきたい基本の1つです。ただし動詞であると共に助動詞としての機能を持ち、さらに不規則活用をするため、混乱しがちな単語でもあります。「もう知ってる」という皆さんも、ぜひここでおさらいをしておきましょう。
というわけで今回のブログは、英語の動詞・助動詞「be」の徹底攻略ガイドです!
目次
動詞としての「be」の役割
英語の動詞「be」は、以下のようなさまざまな意味で使用されます。
- 状態・性質を示す
- Lily is serious.(リリーは真面目だ。)
- My shirt is blue.(私のシャツは青だ 。)
- 存在する場所を示す
- Eddy is at home. (エディは家にいる。)
- Your phone is on the table.(あなたの電話はテーブルの上にあります。)
- 属性を示す
- Junior is Eddy's son. (ジュニアはエディの息子である。)
- My name is Bea.(私の名前はビーです。)
…等々。
動詞「be」が日本語の「だ」「です」「である」に相当すると理解している学習者は多いと思いますが、「いる」「ある」の意味もあることをお忘れなく。
さらには次のような文も動詞「be」を使って表現でき、いかに用途が幅広いかがわかると思います。
- That pen is fifty cents.(そのペンは50セントします。)
- He is sleepy. (彼は眠い。)
- I want to be a doctor when I grow up.(大きくなったらお医者さんになりたいです。)
動詞「be」の活用
動詞「be」は不規則動詞であり、いくつも活用形を覚える必要があるため、なかなか面倒です。もっとも、覚えやすくするためのヒントやコツはいくつかあります。
単純現在形
動詞「be」の単純現在形は、まず押さえておくべき語形です。表の通り、 「I」の活用形、「he/she/it」に共通の活用形、そしてそれ以外に共通の活用形の3種類があります。
単純現在形 | 例文 | |
---|---|---|
I | am | I am happy. 私は幸せだ。 |
(単数としての) you |
are | You are my brother. あなたは私の兄弟だ。 |
he/she/it | is | It is Monday today. 今日は月曜日です。 |
we | are | We are at school right now. 私たちは今、学校にいます。 |
(複数としての) you |
are | You are my friends. あなたは私の友達だ。 |
they | are | They are on the floor. 彼らは床の上にいる。 |
日常生活で使われる英語では、これらの現在形を使う場合は、代名詞と動詞を組み合わせて短縮形を作るのが一般的です。もちろん、会話でも同様です!
単純現在形の短縮形 | 例文 | |
---|---|---|
I am | I'm | I'm happy. 私は幸せだ。 |
you are | you're | You're my brother. あなたは私の兄弟だ。 |
he/she/it is | he's/she's/it's | It's Monday today. 今日は月曜日です。 |
we are | we're | We're at school right now. 私たちは今、学校にいます。 |
you are | you're | You're my friends. あなたは私の友達だ。 |
they are | they're | They're on the floor. 彼らは床の上にいる。 |
単純過去形
動詞「be」の単純過去形は現在形とまったく違うようにも見えますが、実はパターンが似ています。「I」と「he/she/it」に対する活用は「was」で、その他はすべて「were」です。
単純過去形 | 例文 | |
---|---|---|
I | was | I was in Paris yesterday. 私は昨日、パリにいました。 |
(単数としての) you |
were | You were hungry before breakfast. あなたは朝食前、お腹が空いていた。 |
he/she/it | was | It was a cold day. 寒い日だった。 |
we | were | We were at the store. 私たちはその店にいました。 |
(複数としての) you |
were | You were all bored. あなた達は皆、退屈していた。 |
they | were | They were asleep at midnight. 夜中、彼らは眠っていた。 |
単純現在形と単純過去形の否定
動詞「be」の単純現在形と単純過去形の否定文を作成するには、活用した動詞「be」の後に「not」を付けるだけです。
肯定形 | 否定形 |
---|---|
She was in a play last year. 彼女は去年、芝居に出演していた。 |
She was not in a play last year. 彼女は去年、芝居に出演していなかった。 |
They are professional dancers. 彼らはプロのダンサーです。 |
They are not professional dancers. 彼らはプロのダンサーではありません。 |
I am a student. 私は学生です。 |
I am not a stuent. 私は学生ではありません。 |
You were hungry. あなたはお腹が空いていた。 |
You were not hungry. あなたはお腹が空いていなかった。 |
単純未来形
英語の単純未来は、「will」という未来を表す助動詞の後に動詞「be」の原形を置きます。助動詞は主語に応じて活用することはありません。つまり動詞「be」の単純未来形は「will be」1つだけ。主語に関係なく同一です!
単純未来形 | 例文 | |
---|---|---|
I | will be | I will be home tomorrow. 明日は家にいます。 |
(単数としての) you |
will be | You will be on vacation next week. あなたは来週休暇を取りますね。 |
he/she/it | will be | She will be here soon. 彼女はもうすぐここに来るでしょう。 |
we | will be | We will be tired after the race. 私たちは、レースの後では疲れているだろう。 |
(複数としての) you |
will be | You will be the winners. あなた達が勝者になるでしょう。 |
they | will be | They will be busy this weekend. 今週末、彼らは忙しくなりそうだ。 |
仮定法過去形
仮定法過去とは、「もし~だったら、~するのに!」等、現実ではない状況を仮定して、その場合に何が起こるかを描写する方法を指します。そしてこの「起こるであろうこと」を、「would + 動詞の原形」という語形で表現します。...つまり、動詞「be」であれば常に「would be」です🎉
仮定法過去形 | 例文 | |
---|---|---|
I | would be | I would be the best dog owner ever! 僕、史上最高の犬の飼い主になるのになぁ! (※「もし両親が犬を飼わせてくれたら~」などの文脈を想像してください。) |
(単数としての) you |
would be | You would be so happy with a million dollars. 100万ドルあったら、あなたはとても幸せになることだろう。 |
he/she/it | would be | He would be scared of that movie. あの映画を見たら、彼は怖がることだろう。 |
we | would be | We would be cold in Antarctica. 南極大陸にいたとしたら、私たちは寒い思いをすることだろう。 |
(複数としての) you |
would be | You would be in a band. あなた達はバンドをやっていることだろう。 (※「もし一緒に練習する時間があれば~」などの文脈を想像してください。) |
they | would be | They would be tourists. 彼らは観光客だろう。 (※「普通、日本人はラーメンにトンカツをのせない。それをやる人がいるとしたら~」などの文脈を想像してください。) |
現在完了形
現在完了形は、「haveの現在形」+「動詞の過去分詞形」という語形を取ります。「have」のほうが主語に応じて活用し、過去分詞「been」は常に同一です。つまり、三人称単数(he/she/it)が主語なら語形は「has been」、他はすべて「have been」となります。
現在完了形 | 例文 | |
---|---|---|
I | have been | I have been to London twice. ロンドンには2回行ったことがある。 |
(単数としての) you |
have been | You have been here since lunch. 君はお昼ご飯の時からいたね。 |
he/she/it | has been | He has been awake for three hours. 彼は3時間前から起きている。 |
we | have been | We have been on a trip all week. 今週はずっと旅行に行っていました。 |
(複数としての) you |
have been | You have been married for a month. あなた方は結婚して1か月になりますね。 |
they | have been | They have been gone since yesterday. 彼らは、昨日からいないんだ。 |
過去完了形
過去完了形は、「haveの過去形(常にhad)」 + 「beの過去分詞形(常にbeen)」という語形を取ります。結果としては主語に関係なく、「had been」1種類だけとなります。
過去完了形 | 例文 | |
---|---|---|
I | had been | I had been busy. 私はずっと忙しかった。 |
(単数としての) you |
had been | You had been to China already. あなたはすでに中国に行ったことがありましたね。 |
he/she/it | had been | She had been gone all morning. 彼女は朝からずっといなかった。 |
we | had been | We had been at work. 私たちはずっと仕事中だった。 |
(複数としての) you |
had been | You had been on vacation. あなたはずっと休暇をとっていた。 |
they | had been | They had been on a walk. 彼らはずっと散歩中だった。 |
未来完了形
未来完了形も、主語にかかわらず1種類です 🙌 この時制は、助動詞「will」 + 原形「have」 + 過去分詞「been」=「will have been」という語形で表されます。
未来完了形 | 例文 | |
---|---|---|
I | will have been | I will have been a professor for a year by this August. この8月で、私が教授になってから1年経つことになる。 |
(単数としての) you |
will have been | You will have been to the beach every week by the end of summer. 夏が終わるまでには、君は毎週ビーチに通いつめていることだろう。 |
he/she/it | will have been | It will have been windy all day by the time the typhoon passes by. この台風が通り過ぎるまで、1日中風が吹き荒れていることだろう。 |
we | will have been | We will have been partners for a week if we don’t break up until tomorrow. 明日まで喧嘩別れしなければ、僕たちが彼氏彼女の関係になってから1週間経つわけだ。 |
(複数としての) you |
will have been | You will have been here for two hours by the time the waiter brings you the food. ウエイターが食事を持ってくるころには、君たちがここに来てから2時間も経っていることだろうよ。 |
they | will have been | They will have been students for 10 years if they cannot graduate this year. 今年卒業できなければ、彼らは10年も学生をやっていることになる。 |
仮定法過去完了形
「~していなかったとしたら、~だっただろう」等、過去の事実に反する仮定をもとにした想像を表現する方法を、「仮定法過去完了」と言います。これも、すべての主語に対し同じ語形を使い、助動詞「would」 + 原形「have」 + 過去分詞「been」=「would have been」となります。
仮定法過去完了形 | 例文 | |
---|---|---|
I | would have been | I would have been so sad. 私はとても悲しかったことだろう。 (※「もしXXが起こったとしたら~」などの文脈を想像してください。) |
(単数としての) you |
would have been | You would have been a doctor. あなたは医者になっていたことだろう。 (※「もし芸術家になっていなかったとしたら~」などの文脈を想像してください。) |
he/she/it | would have been | She would have been famous. 彼女は有名になっていたことだろう。 (※「もしやり手のマネージャーを雇っていたら、今頃は~」などの文脈を想像してください。) |
we | would have been | We would have been more excited. 僕たち、もっとワクワクしていたんだけどなぁ。 (※「雨さえ降らなければ~」などの文脈を想像してください。) |
(複数としての) you |
would have been | You would have been richer. あなた方はもっと金持ちになっていたことだろう。 (※「あの時あの事業に投資していれば~」などの文脈を想像してください。) |
they | would have been | They would have been bored. 彼らは退屈しなかっただろう。 (※「あの外国映画に字幕がついていたら~」などの文脈を想像してください。) |
単純未来・仮定法・完了の否定形
複数の単語から構成される動詞の表現の場合、どこに「not」をつけるのかわからなくなることがあります。でも、「否定のときには最初の単語の後にnotを付ける」と覚えれば大丈夫です。
肯定形 | 否定形 |
---|---|
She has been in the living room. |
She has not been in the living room. 彼女は居間にいなかった。 |
They will have been here for a year. |
They will not have been here for a year. 今月末にこの仕事を辞めてしまったら、彼らはここに1年いなかったことになる(1年ももたなかったことになる)。 |
I had been to India. |
I had not been to India. 私はまだインドに行ったことがなかった。 |
We would have been bored. |
We would not have been bored. 我々が退屈することはなかっただろう。 |
You will be interested in this book. |
You will not be interested in this book. あなた方がこの本に興味を持つことはないでしょう。 |
助動詞としての「be」の役割
これまでのすべての例は、「be」が動詞として機能する場合を示してきました。
ただし「be」は、他の表現において助動詞としても使用されます。助動詞として機能する場合も、上で紹介した動詞としての語形をすべて取ることができます。以下に例をいくつか挙げてみます。
進行形:「beが取りうるすべての語形」 + 現在分詞
主語 | beが取りうるすべての語形 | 現在分詞 | 日本語訳 |
---|---|---|---|
I | am | studying | 私は勉強しています。 |
You | have been | studying | あなたはこれまで勉強を続けてきた。 |
They | would have been | studying | 彼らはこれまで勉強を続けてきたであろうに。 |
受動態:「beが取りうるすべての語形」 + 過去分詞
主語 | beが取りうるすべての語形 | 現在分詞 | 日本語訳 |
---|---|---|---|
She | had been | hired | 彼女はそれまで(過去のある時点まで)ずっと雇われていた。 |
You | will have been (for 2 years) |
hired (by the end of this year) |
(今年末で)あなたは(2年間)雇われていたことになる。 |
They | were | hired | 彼らは雇われていた。 |
動詞・助動詞「be」を使った疑問文
「be」の活用形を知っていれば、それを疑問文にすることもできますね。これに関しては、疑問文の種類ごとにまとめた記事(英語)が別途ありますので、ぜひ参考にしてください。
Yes/No疑問文
Q: Are you brothers?(あなた方は兄弟ですか?)
A: Yes, we are brothers.(そう、僕たちは兄弟なんだ。)
Q: Have you been here before?(以前にもここに来たことがありますか?)
A: No, I have not been here before.(いいえ、ここには来たことがないです。)
Wh(いつ・何・どこ・誰)疑問文
Q: Where will she have been by the end of your trip?(旅行が終わるまでには、彼女はどこを既に訪れているだろうか?)
A: She will have been to England and France.(彼女はイギリスとフランスを訪問済みのはずだ。)
Q: Who was your favorite teacher?(あなたが一番好きな先生は誰でしたか?)
A: My favorite teacher was Oscar.(私が一番好きな先生は、オスカーでした。)
付加疑問文
They are astronauts, aren’t they?(彼らは宇宙飛行士ですよね?)
She was not tall, was she?(彼女、背は高くなかったよね?)
“Be” confident ! (自信を持って!)
動詞・助動詞「be」の意味と使い方を学び、例文がすんなり理解できるようになってくると、英語の時制やニュアンスも掴めてきます。「be」を足がかりに動詞を少しずつ練習していけば、そのうち動詞を自在に使いこなしている自分に気が付くことでしょう!