楽しい言語学習にも、時には不安が伴います。「覚えても覚えてもきりがない…」「いつ英語に自信を持てるようになるのか?」「上達するには何をしたらいいんだろう?」😫と考え込んでしまった方もいることでしょう。
そんな時は「英語学習者が間違いやすい項目」に着目してみてください。学習がはかどり、上達を実感できます。「間違い」は言語を学ぶうえで、ごく自然なことです。間違いを新たな学びのきっかけと考え、そこで学んだことを次の機会に使ってみましょう。これから、「英語学習者が間違いやすい項目」トップ5と、それぞれの対策をご紹介します。
(このブログは英語版の翻訳であり、いろいろな言語の話者にとっての英語学習で間違いやすい項目を扱っています。日本の学習者には必ずしもあてはまらない点もありますが、併せてお楽しみください。)
「英語学習者が間違いやすい項目」トップ5
1. 動詞の語尾の-sを忘れる
2. 動詞の語尾の-ingを忘れる
3. 動詞に対し「not」を付ける位置
4. 名詞に形容詞を付けるときの順番
5. 動詞に「to」を付ける場合
1. 動詞の語尾の-sを忘れる
英語の動詞の語尾は、スペイン語やフランス語といった他の言語ほど変化するわけではありませんが、一つだけ、重要な語尾の活用「**三人称・単数・現在形の-s**」があります。これをつい忘れがちです。英語では、定期的に起こることについて話す場合、現在形を使用します。例えば「私はたいてい土曜日に、猫と一緒に映画を見る」と言うのであれば、「I usually watch movies with my cat on Saturdays」となります。ここで、動作を行っている人や物が三人称単数(固有名詞、「he(彼)」、「she(彼女)」、「it(それ)」など)であれば動詞の語尾に-sを付ける必要があります。
- Duo always reads interesting books before bed.(Duoはいつも寝る前に面白い本を読む。)
- She often completes 10 Duolingo lessons a day.(彼女は一日にDuolingoレッスンを10回こなすことがよくある。)
- My best friend always listens to Duolingo podcasts on his way to work.(私の親友は、通勤中にいつもDuolingoのポッドキャストを聞く。)
- It always rains on my birthday.(私の誕生日にはいつも雨が降る。)
下記の表を見ると、動詞の語尾が変わるのは三人称単数のときだけなので、うっかり忘れがちになるのがわかると思います。
単数形(1人または1つ) | 複数形(2人または2つ以上のグループ) | |
---|---|---|
一人称 | I watch | we watch |
二人称 | you watch | you all watch |
三人称 | he/she it watches | they watch |
英語学習者にとって、この「三人称・単数・現在形の -s」は、付け忘れることの多いやっかいな相手です。「he」「she」「it」または、これら三人称単数形の代名詞が指す名詞や名詞句*の後にくる動詞には、必ず「-s」を付けると覚えてください。
*例:the woman who ran past me on her way to the bus stop(バス停に向かう途中で、私を追い越した女性)、our very favorite book(私達のお気に入りの本)など
2. 動詞の語尾の-ingを忘れる
英語を学習するうえでもう一つの難題は、現在形と現在進行形です。
英語話者はなぜ、現在のことを表すのに2つの異なる時制を必要とするのでしょうか?その答えは、これらの時制が異なる状況で使われるからです。その動作がいつ行われるか、またはどのくらいの頻度で行われるかを考えると、どちらを使って表現したらよいか判断しやすくなります。
現在形
習慣や繰り返し行われる行動など、定期的に起こる動作に対して使用します。
🔑 キーワード:often(よく、頻繁に)、always(いつも)
💡 例:Do you listen to jazz?(あなたはジャズを聞きますか?) Do you often listen to jazz?(あなたはよくジャズを聞きますか?)
現在進行形
今まさに行っている(起こっている)動作に対して使用します。
🔑 キーワード: right now(今)、at the moment(今のところ)
💡 例:Are you listening to me? (私の言うことを聞いていますか?)Are you listening to me right now?(今、私の言うことを聞いていますか?)
もう一つの注意点は、現在進行形では「I am practicing Hungarian on Duolingo now.(私は今Duolingoでハンガリー語を練習しています)」のように、動詞が2つ使われるということです。つまりbe動詞(am/is/are)と動詞の現在分詞(-ing)の両方が必要ですが、be動詞に気をとられると、つい-ingが抜けてしまいがちです。これを防ぐには、自分がある動作を行っている(たとえば「泳いでいる」「料理している」「走っている」)のだということを強く意識して「-ing=~ている」を付けるようにするとよいでしょう。
以下に例を挙げておきます。
主語 | be動詞 | 動詞の現在分詞(-ing) | 目的語やその他の状況を表す言葉 | |
---|---|---|---|---|
I (私) |
am | practicing (練習している) |
Hungarian (ハンガリー語) |
right now. (今) |
She (彼女) |
is | cooking (料理している) |
dinner (夕食) |
|
They (彼ら) |
are | watching (見ている) |
a game (試合) |
|
You (あなた) |
are | reading (読んでいる) |
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3. 動詞に対し「not」を付ける位置
英語学習者が間違いやすい項目の一つに、**否定形の作り方**があります。つまり文章のどこに「not」を置くかです。この問題については2種類のルールを覚える必要があり、文中で次のどちらの動詞を使用するかによって異なります。
- be動詞を使用する場合:be動詞の直後に「not」を付けます。
- I am not a big fan of vanilla ice cream. (私はバニラアイスクリームがあまり好きではない。)
- Duo is not as harmless as you might think.(Duoはあなたが思っているほど無邪気ではない。)
- be動詞以外の一般動詞の場合:すべて**「do」または「does」の後に**「not」を付けます。
- I do not like eggs and ham.(私はハムエッグは好きではない。)
- Duo does not live in a tree house.(Duoはこの森に住んでいない。)
英語を学ぶ際には、「be動詞以外の一般動詞のルール」をいったん頭にいれ、そのうえで「be動詞は例外」と考えるとよいでしょう。
このルールは、他の言語と比較するとややこしく思えるかもしれません。be動詞に相当する「~だ/である/です」という表現は、他の言語においてまったく異なるパターンを持つことが多いからです。例えばウクライナ語では、be動詞に相当するものがおおむね省略され、「私はマルコです」なら「Я Марко(私+マルコ)」、「私はマルコではありません」なら「Я не Марко(私+否定+マルコ)」となります。実のところ、他の言語は英語よりも一貫していることが多いのです。 例えばスペイン語では否定の「no」は常に動詞の前に置かれます。be動詞を使った表現「(Yo) soy Duo(私はDuoです)」の否定形は「(Yo) no soy Duo(私はDuoではありません)」となり、be動詞ではない動詞を使った否定形も「(Yo) no como(私は食べない)」「(Yo) no duermo(私は眠らない)」となります。
4. 名詞に形容詞を付けるときの順番
形容詞を置く順序も、英語学習者にとっては頭痛の種です。まずは、「white clothes(白い服)」や「expensive house(高価な家)」のように「名詞を説明する形容詞はその名詞の前に置く」を頭に入れておいてください。 そして名詞の前に形容詞を2つ以上置く場合は、以下の2つのルールを覚えておきましょう。- 大きさを表す単語は、通常、形や年齢など他の性質を表す単語の前に置く。
例:a big round cake(大きな丸いケーキ)、a tall young woman(背の高い若い女性) - 質、大きさ、または形を表す単語は、通常、色を表す単語の前に置く。
例:a big green owl(大きな緑のフクロウ)、a small black cat(小さな黒い猫)
5. 動詞に「to」を付ける場合
よく使われる言い回しに「need to(~する必要がある)」「want to(~したい)」「have to(~しなければならない) 」という表現がありますが、これらは動詞を2回連続で使用するため、学習者の混乱を招きがちです。このように動詞が2つ並ぶケースの多くでは、2番目の動詞が「to + 原形」すなわち**不定詞**となります。まずは基本的なルールとして、 「need」「want」「have」の後で動詞を使いたければ「to」をつけてから使うとだけ覚えておきましょう。英語の初級~中級レベルで必要な表現は、これでほとんどカバーできます。
- I want to speak English well.(英語を上手に話したい。)
- I need to practice English on Duolingo now, or I will lose my streak.(今すぐDuolingoで英語の練習をする必要がある。さもないと連続記録がストップしてしまう。)
さらに上級レベルになると「used to」という表現もあります。「過去にしばらくの間そうだったが今はそうではない」ことについて話すときに、「used to」という言い回しを使います。「used to」も動詞の直前に「to」を付ける構文です。
- She used to live in France. And now she lives in the US.(彼女は以前フランスに住んでいた。そして今、彼女はアメリカに住んでいる。)
- They used to watch TV a lot, and now they read books.(彼らは以前よくテレビを見ていたが、今では本を読む。)
なお「to」の後の動詞は原形のまま、活用させずに使うということをしっかりと覚えてください!
自分の英語に自信を持とう!
間違いやすい項目を頭に入れつつ練習すると、英語をより上手に、そしてより自信を持って使えるようになります。最後に、私の高校時代の英語の先生からの言葉を贈ります。
ー Make mistakes your alies, not enemies.(間違いを敵ではなく味方にしなさい)
この言葉を励みに、Duoと一緒にがんばってください💪🏼