英語で、「myself」「yourself」などの再帰代名詞を使った表現は、数多くあります。そのため、学習中に思いがけず再帰代名詞が現れ、戸惑うことがあるかもしれません。もっとも、押さえるべき基本形はほんの数種類です。再帰代名詞はどんな状況でよく使われるのか、それさえわかれば意味がとらえやすくなり、自由に再帰代名詞を使うこともできるようになります。


目次

英語の再帰代名詞とは?

英語で再帰代名詞を使うのはどんなときですか?

英語の再帰代名詞を覚えるためのヒント

英語の再帰代名詞の例


英語の再帰代名詞とは?

再帰代名詞は、「動詞の主語が同時に目的語でもある場合」言い換えれば「主語が行った動作の結果、主語自体がその動作の影響を受ける場合🤯」に使われる代名詞です。たとえば「I bought myself a new book(私は、自分に新しい本を買った)」という表現では、「I(私)」は本を買う人であると同時に、本を買ってもらった人となります。このように、目的語が主語にって同一人/物を指すので「再帰代名詞」と呼ばれます。

ところで、英語の再帰代名詞はどんな形をしているのでしょうか?以下の表で、主格代名詞と比べてみました。

主格代名詞 再帰代名詞
I myself
you yourself
he himself
she herself
it itself
we ourselves
you all yourselves
they themselves

再帰代名詞の形を作るには、人称代名詞に対し、単数形の場合は「-self」を、複数形の場合は「-selves」を付けます。ほとんどのものは人称代名詞の所有格(my、yourなど)に「-self /  -selves」を付けた形ですが、例外として目的格(him、themなど)に「-self / -selves」が付く形もあります。表で確認してみてください。

英語で再帰代名詞を使うのはどんなときですか?

再帰代名詞の用法は主に3種類に分けられ、1️⃣動作の主語と目的語が同一の場合、2️⃣名詞を強調する場合、そして3️⃣「by」や「for」と一緒に使い、動作を単独で行ったことを示す場合となります。それぞれのケースを例文と一緒に見てみましょう!

1️⃣ 動作の主語と目的語が同一の場合
ある動作に対し、その主語と目的語が同一の人や物である場合、目的語に再帰代名詞を使います(目的格代名詞ではなく!)。この用法は、「動詞 + 目的語」または「動詞 + 前置詞 + 目的語」のいずれの文型でも使えます。次の例文で確認してみてください。

  • I don't like listening to myself sing. (自分が歌うのを自分で聴くのは、好きじゃない。)
  • Lucy made herself a radio out of tin cans. (ルーシーはブリキ缶を使って、ラジオを自分で自分用に作った。⇒自作した)
  • We taught ourselves to rollerblade. (私たちは、ローラーブレードを自分で自分に教えた。⇒自力で覚えた)

2️⃣名詞を強調する場合
再帰代名詞には名詞を強調する働きがあり、たとえば動詞の主語が「自分自身で」実際にその動作を行うことを示すために使います。

  • She couldn't believe they made the costumes themselves!(彼女は、彼らが自分たちで衣装を作ったとは信じられなかった!)
  • The green owl himself made an appearance at midnight. (真夜中に、緑のフクロウ自身が登場した。)
  • Could you call him yourself next time? (次回は、あなたがご自分で彼を呼んでもらえますか?)

3️⃣ 「by」または「for」と一緒に使い、動作を単独で行うことを示す場合
前置詞「by」または「for」と再帰代名詞を組み合わせると、主語が「何ら助けを借りずに」動作をしていることを示すことができます。

  • Did you all make the cake all by yourselves? (このケーキは全部、あなた方自身で作ったんですか?)
  • I'll need to see that for myself. (私は、それを自分自身で確かめる必要がある。)
  • For the test, Junior will need to calculate it by himself. (試験の際には、ジュニアはそれを自分で計算する必要がある。)

英語の再帰代名詞を覚えるためのヒント

英語の再帰代名詞をマスターするには、それなりの時間と練習が必要です。以下のヒントを頼りに、少しずつで良いので上達を目指してください。

  • 使いやすい用法から先に攻める:上記の再帰代名詞の用法の中には、理解しやすいものと、理解しにくいものがあるはずです。まずは「動作の主語と目的語が同一の場合」から学び始め、「名詞を強調する場合」は人称代名詞が身についてから改めて取り組んでも、まったく問題ありません。
  • 例外から覚えよう:再帰動詞の形の一般的なパターンは「所有格」 + self/selves」。 逆に、例外のパターン「目的格代名詞 + self/selves」の暗記から、先に片付けてしまいましょう!
  • 前置詞との組み合わせに注意:すべての前置詞が再帰代名詞と一緒に使える、というわけではありません。たとえば「I put the glass near me(私はコップを自分の近くに置いた)」のように、場所について話すときには、再帰代名詞は使いません。一方、よく目にするパターンに「by + 再帰代名詞」や「for + 再帰代名詞」がありますが、これは外からの助けなしにひとりでに起こった事柄を表す用法です。
  • 英語話者とて完璧ではない:すべての英語話者が再帰代名詞を同じように使うとは限りません。実際に、最近では再帰代名詞の使い方も変化しつつあります!そのため予想外の使われ方を目にするかもしれませんが、あまり気にしなくても大丈夫。まずは基本的な用法をしっかり身につけ、自分のものにしましょう。

英語学習は自分自身(= myself)のために続けよう

再帰代名詞は、比較的簡単に暗記できますし、覚えるべきルールも多くありません。必要に応じて、再帰代名詞の代表的な使い方に集中して勉強すれば十分です。あせらず、人と比べず、自分自身のために学習の旅を続けてくださいね!


英語の再帰代名詞の例

主格代名詞 | 再帰代名詞 再帰代名詞の例 日本語訳
I | myself I sing to myself in the shower. シャワーを浴びながら、自分で自分に歌を歌う(⇒一人で歌う)。
you | yourself You always make yourself laugh with that joke! 君は、いつもそのジョークで、自分で自分を笑わせているよね!(⇒一人でウケてるよね!)
he | himself He'll give himself a headache if he doesn't rest. 彼は休まなければ、自分で自分に頭痛を起こすだろう(⇒自分から頭痛を引き起こすようなものだ)。
she | herself Lin kept herself busy while she waited for the call. リンは電話を待つ間、自分で自分を忙しく保つようにした(⇒自ら忙しくしていた)。
it | itself That little bird locked itself in the garage. 例の小さな鳥は、ガレージに自分を閉じ込めた(⇒自分で閉じこもった)。
we | ourselves Bea and I bought ourselves flowers to celebrate. ビーと私は、お祝いするために、自分たちに花を買った。
you all | yourselves Can you all find yourselves in the picture? あなたたち全員、写真に自分自身(⇒自分の姿)が写っていますか?
they | themselves Zari and Lily wrote silly stories about themselves. ザリとリリーは、自分たちについてのおかしなストーリーを書いた。