フランス語学習者のみなさん、「Verlan」という言葉は聞いたことがあるでしょうか?これはスラングの一種で、単語の音節の前後を入れ替えることによって似ても似つかない(そしてしばしば茶目っ気にあふれた)言葉とする仕組み、つまり逆さ言葉を指します。「verlan」という単語自体が「l'envers(逆)」を逆さにしたもので、「l'en」と「vers」という2音節が入れ替わり「ver」-「lan」となっています。 

今回のブログでは、フランス語の会話でひんぱんに使われる「verlan」を5つ、ご紹介します!

1. femme(女性) → meuf

誰かを指して「meuf」と言えば、これは「femme(女性)」のverlanバージョンです。文脈によっては「ガールフレンド」を意味します。

C'est qui c'te meuf ? あの女の人誰?
Elle est où ta meuf ? 君の彼女はどこ?

💡【要注意】「meuf」は友達どうしの砕けた会話でよく使われます。一方、馴れ馴れしすぎたり、無礼に聞こえたりすることもあるので、ふさわしい状況であるかを判断してからこの言葉を使いましょう。

2. lourd(迷惑な) → relou

人や状況について「relou」だと文句を言っているのが聞こえたら、それは「lourd」の逆さ言葉であり、 「迷惑な」という意味です。

Elle est trop relou c'te meuf ! あの女性は本当に迷惑だ!
C'est un gros relou ! 彼はとても迷惑だ!
C'est relou qu'ils soient pas venus. 彼らは来なかった、むかつくなぁ!

💡さらに誇張したい場合は、「trop(とても)」を付け「trop relou」と言えば、誰かや何かが心底腹立たしいという感情を表すことができます。(ちなみにフランス語の口語では、どんな形容詞にも「trop」をつけて大丈夫です。)

3. bizarre(奇妙な) → zarbi

何かが「zarbi」であると言えば、それは「奇妙な、変わった」という意味の「bizarre」の逆さ言葉です。

Moi, j'le trouve zarbi. 私、彼は変わっていると思う。
Avoue qu'c'est zarbi quand même. あなたもそれは変だと認めざるを得ないわよね。

💡「zarbe」を略して「zarbe」と言うこともあります。

4. louche(怪しい) → chelou

誰かのことを「chelou」だと噂しているのが聞こえたら、その人がうさん臭い、または怪しいと思われているということです。また、「chelou」は物事や状況に対しても使えます。

Comme il est chelou ! 彼はめちゃくちゃ怪しい!
C'est vraiment chelou c't'histoire. その話は実にうさん臭い。

5. fou(クレイジーな) → ouf

他人を「ouf」と形容するのが聞こえたら、それは「fou」の逆さ言葉で、その人が常軌を逸しているとか、常識の枠にはまらないとか、良い意味でも悪い意味でも「クレイジー」であることを示します。

T'es un vrai ouf, toi ! 君、どうかしてるよ!

また、心からの同意を示すのに、「de ouf(本当に、まったく)」という表現を使うこともできます。

Comme il a changé !
-Mais de ouf !
彼はずいぶん変わったなぁ!
-まったくだ!

Le verlan, c’est trop ouf !(「verlan」ってぶっ飛んでるよね!)

「verlan」は、フランス語の遊び心と多彩さが反映された、魅力的な文化です。「これ、verlanだな」と勘が働くようになると、自分の周囲の会話や、フランス語の映画、ポッドキャスト、歌などがより深く理解できるようになるはずです!🎉