「Duolingoへの質問」へようこそ。このコラムでは言語学習者へのアドバイスを紹介します。過去の記事はこちらをご覧ください。

みなさん、こんにちは!Nora Gordonです。今週はCindy Blanco博士に代わってみなさんに学習のアドバイスをお届けしたいと思います。まず初めに少し簡単な自己紹介をしますね。私はカリキュラム・デザイナーとしてDuolingoに勤めていて、主にスペイン語やポルトガル語話者向けの英語コースや、先生向けの教材であるDuolingo for Schoolsを担当しています。以前は私も言語の教師としてスペイン語と英語を教えていました。先生や学生のみなさんの教育や学習のサポートができて大変嬉しいです!

さて、今週の質問をみてみましょう:

Duolingoに質問です。

ずっと悩んでいることなんですが、学習中の言語で不安なく書けるようになるにはどうすればいいですか?新しい言語を学ぶ人が抱える不安や自信のなさは、どうしたら解消できますか?

心配性な物書きより

心配性な物書きさん、質問をありがとうございます!(何よりもまず初めに、心配する必要はないですよ!)

学習中の言語のライティングスキルを上げたいからと、小説のような立派な文章を書く必要はまったくありません。文章を書くことは、友達にメッセージを送る、同僚にメールを送る、SNSに投稿する…など、すでに私たちの日常生活において、コミュニケーションの大部分を占めています。ですが同じ「書く」という行為であっても、新しい言語で書くとなると、手に負えないような気がするのは当然だと思います。でも安心してください。こういう時のためにとっておきのアドバイスがあります。学習中の言語で文章を書くとき、さらに自信が持てるようになるだけでなく、(どんな言語でも)全体的なライティングスキルが伸ばせる、より実践的なテクニックをご紹介します。

紙に何かを書いているDuolingoのキャラクター リリーと、その周りを飛び交う数枚の紙

すでにある知識を活かしましょう

何かを書こうとペンと紙を手に取ったはいいけれど、肝心の言葉が全然頭に浮かばない…こんな経験に身に覚えのある人は多いですよね。そこでアドバイスです。どのように言えばいいかわからない場合は、違う表現を探してみてください。「非常に嬉しい」ことを伝えたい時には「overjoyed」の代わりに「very happy」、「興味がある」ことを伝えたい時には「fascinating」の代わりに「interesting」と表現してみましょう。あなたの第一言語のようにはスムーズに表現することはできないかもしれませんが、全然かまいません!それでも伝えたいメッセージをどうにかして伝えることが重要です。「一番伝えたいことは何か」、まずそこに焦点を当ててみてください。

学習中の言語で何かを書こうとするときにも、同じ要領でやってみてください。まずは短く簡潔な文章から。それを繰り返すうちにだんだん、もっとニュアンスのある文章や、複雑な文章が書けるようになるはずです。

そして、母語に似た言語を学ぶ場合はその類似性をそのまま活かしてみましょう!例えば英語を話す人がスペイン語を学ぶ場合、英語の知識がスペイン語に役立つことがあります。スペイン語の「conversación」が英語の「conversation」で、「condición」が「condition」であるなら、英語の「exception」はスペイン語で「excepción」だと推測できそうですよね?(ただし少々やっかいではありますが、これらが同じ語源を持つ単語『同根語』ではない点も、ゆくゆくは知っておいてください!)

大きな鉛筆を両手で持っているふくろうのDuo

積極的にリソースを活用しましょう

何かを書いていると、不意に行き詰まり、助けを必要とすることもあると思います。そういう時は、どんどん単語や語句を調べてみましょう。書くことを通したコミュニケーションには、必要なだけ時間をかけることができるという大きな利点があります。考えをまとめる、自分の書いたものを見直す、学習中の言語をすでに知っている人(友達や親戚など)に相談する、あるいはオンラインの翻訳や辞書を使うなど、自分の納得がいくまで時間をかけてみてください。

完璧である必要はありません

もしかしたら、「自分の伝えたい内容を文章にするのだから、間違いたくない」と思うかもしれません。しかし、つづりや文法、アクセントや句読点の位置などの小さな間違いのせいで文章が理解できなくなることは、ほとんどありません。間違いがあっても、重要なメッセージや必要な情報は十分に伝えることができます。もちろん読み手のことを考えるのも大事ではありますが...例えばLINEで友達に簡単なメッセージを送る程度なら、間違いなんて気にせずに、とりあえず打って送ってしまいましょう!一方、同僚にEメールを送信する場合なら、もう一度自分の文章を読み返し、簡潔かつ丁寧かどうか確かめるのを忘れないでください。

では、まだ習いたての言語でウェブマガジンに何かを投稿しなければならないとしたら?…まずは、あなたの勇気に拍手!この場合は原稿を作って何度も修正し、さらに投稿前には複数の人からフィードバックをもらい、それをもとに最終版を作るのが良さそうです。自分の母語の場合でもそうですが、新しい言語でも、読み手や書く目的に合わせて言葉遣いや形式を変え、作文することが必要です。

たくさん読みましょう!

ライティングのスキルを上げる一番の方法は、たくさんの量を読むことです。読むことを通して、語彙や文法構造、また文章でのやり取りに触れることができ、後で自分が書く際にも大いに役立つようになります。これには、新しい言語で楽しく簡単に読む練習ができる、Duolingoストーリーをお勧めします!不慣れな言語でものを書くためには、自分が読んだものをお手本にしながら書くことに慣れていくのが必勝法と言えるでしょう。

スランプを恐れない

いかがでしたでしょうか?何か役立つアドバイスはありましたか?最後に、これだけは覚えておいてください。新しい言語で自分自身を表現するのは面白い体験であり、かつ得られるメリットも多いということです。私はそのように強く信じています。そして、上級の学習者でなければものが書けないということは、絶対にありません。言語学習の初心者でもどんどん書いてみるべきです。持てる創造性を最大限に駆使して、自分が一番心地よいと感じる方法で書いてみてください。そして紙とペンを手に取ることを(あるいはキーボードに指を置くことを)ためらわないでください。さあ、書き始めてみましょう!

今週の「Duolingoへの質問」はこれでおしまいです。Duolingoでは言語学習に関するたくさんの質問を受け付けています。ご質問は、dearduolingo@duolingo.comへメールで送っていただくか、SNSでハッシュタグ #DearDuolingo をつけて投稿してください。次回は2週間後にまたお会いしましょう!