ジョナス・デシールは、Duolingo の ハイチ・クレオール語のコース が 2022年2月にデビューしたことを知り、大喜びしました。ジョナスは6歳のときにハイチから養子に出され、オーストラリアのクイーンズランド州で育ちました。現在、彼はハイチの実の家族と連絡を取り合っており、このアプリのおかげで次回の訪問時には彼らとより深く交流できるだろうと言います。
「私は白人の家族に養子にされ、当時オーストラリアにはハイチ人があまりいませんでした。その結果、私はクレオール語をすべて忘れてしまいました。プログラムが公開されたときは、次回ハイチに旅行して実の家族を訪ねるときに有利になるので、本当にうれしかったです」とジョナスは言います。「クレオール語を話せれば、家族とも国ともより強くつながることができます。」
キューバとジャマイカの東に位置するハイチは、イスパニョーラ島にあるカリブ海の山岳国で、ドミニカ共和国に隣接しており、国には2つの公用語があります。ひとつはフランス語、もうひとつはハイチ・クレオール語です。かつてフランスの植民地であったため、フランス語は、学校や裁判所などの正式な場で主に使用されます。しかし、ハイチにおいてクレオール語は、特に農村部で日常的に話されており、人口の90%以上がクレオール語のみを話しています。ハイチのクレオール語はフランス語と語彙を共有していますが、実際にはフランス語、スペイン語、タイノ語、西アフリカの言語が混ざり合ったもので、独自の文法と構造を持っています。

ハイチ・クレオール語はハイチで最も広く使われている言語ですが、歴史的には口頭による伝承と非公式の教育によって保存されてきました。また、制度に基づく教育や学習教材が不足しているため、その言語を話さずに育った人にとっては、学ぶのが他の言語よりも難しいのです。
次に、ローズ・ステラ・ピエール・ルイのケースを見てみましょう。彼女はクレオール語を話して育ちましたが、大人になってからその言語を忘れないようにするのに苦労しました。彼女は現在カリフォルニアに住んでいますが、ハイチ系アメリカ人の家族によってハイチから養子縁組され、ニューヨークで育ちました。育ての家族も彼女にクレオール語で話していましたが、サクラメントに引っ越したことがきっかけで、クレオール語がなかなか思い出せなくなってしまったと彼女は言います。現在、ローズ・ステラは数か月間Duolingoアプリを使い続けており、クレオール語コースは、子供たちに彼女の母語に親しんでもらえるようにするのにも役立っているそうです。
「私の子供たちは約2か月前にDuolingoでクレオール語を始めました。 サクラメントに住んでいる私は、ハイチ系の人と話すことができず、子供たちにクレオール語に触れさせる機会といえば、時々話しかけてみる程度しかありません。ですから、このアプリを使用することは、彼らにとって私の母国語と関わる楽しい方法となりました。」外国で暮らす親戚とつながりたいという動機は、ハイチ・クレオール語に特有のものではありません。Duolingoでは、家族や文化を動機として新たな言語を学び始める学習者が増えています
「子供たちに、言語に親しんでもらいたいのです」とローズ・ステラは言います。「私がハイチから受け継いだものは、私にとってとても重要です。自由のために戦った人々や、奴隷制を廃止した人々の言語である点が、大事なんです。私にできる最低限のこととして、私の文化と言語が子供たちに受け継がれるようにしたいです。」
そして最後にご紹介するマガリー・ウィルカーソンも、ハイチからの養子です。彼女をハイチ文化とのつながりを取り戻すのに、クレオール語コースは不可欠であると感じています。ジョナスと同様、マガリーも白人の家族の養子となり、クレオール語に触れる機会のないまま育ちました。彼女は当初、スペイン語を学ぶために Duolingo アプリを使用しており、クレオール語が追加されたことを知って大喜びしました。
「Duolingoがアプリにハイチ・クレオール語が追加されるのを何年も待っていました」と彼女は言います。「私はクレオール語を毎日学ぶ習慣を身につけるため、Duolingoを活用しています。使い方は簡単で、どこでもいつでもできます。楽しくて時にはチャレンジもあり、また、アプリが学習のタイミングを知らせてくれるので、順調に続けられます。」
多くのハイチから養子縁組によって移住した人々が、アプリを使ってクレオール語を学び、他のハイチ人と会話できるようになることで、人生を変えました。
「クレオール語を学ぶことによって、家族と文化の両方につながることができました。クレオール語を流暢に話せるようになりたいです。なぜなら、基本的なクレオール語しか知らないと深い会話ができないからです。」ウィルカーソンはさらに、「私にとってクレオール語を学ぶことは、養子に出されることによって私から奪われたハイチの伝統を継承することを意味します。より自由に話すことができるようになった今、自分の生まれた文化や実の家族との絆を、より強く感じることができます。」

ハイチ・クレオール語のコースができたことによって、この言語をさらに多くの世代に受け継ぐことができることでしょう。また、ジョナス、ローズ・ステラ、マガリーが言う通り、やる気を維持し楽しみながらハイチ・クレオール語を学ぶことは可能なのです!