言語を学ぶということは、その言語のすべてを学ばなければいけない、ということではありません。ネイティブスピーカーであっても、一生使わない単語はいくらでもあります!学習者は、新しい言語を勉強する際に自分なりの目標を念頭に置いていることが多いので、ある学習者にとってのゴールと、別の学習者にとってのゴールはまったく違うかもしれません。

だからこそ、「外国語がペラペラ」という表現の正確な意味を知るのはとても難しいのです。親友とビーチで週末を過ごすために必要な単語や文法の種類と、連邦最高裁判所に提出する反対意見を書くのに必要な専門用語や高度な言い回しは、ずいぶん違います。

Duolingoでは、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)に基づき、複数の習熟度レベルの目標を設定し、コースを設計しています。各レベルはA1、A2、B1、B2、C1、C2に分かれており、A1からC2に向かうにしたがって、より困難な言語的ニーズに対応できるようになっていきます。Duolingoでユーザー数の多いコース(英語話者のためのスペイン語コースやフランス語コースなど)ではB2まで、新設のコースや今後アップデートを予定するコースでは、A1~B2の間でそれぞれ異なるレベルの課程を用意しています。

レベルの高低はかならずしも「できる・できない」を分けるものではありません。各レベルの語学力で「できること」を挙げてみれば、きっと皆さんは驚くことでしょう!例えばアカデミー賞を受賞したポン・ジュノ監督は、感謝の気持ちを伝えるのにA1レベルのやさしい英語「Thank you. I will drink until next morning(ありがとうございます。 翌朝まで飲みます)」)を使い、「映画制作で何からインスピレーションを得るか」といった複雑な考えを表現する際にはB1レベルに相当する韓国語で話し、通訳を頼んでいました

C.E.F.R.  「必要な語学力」とひとことに言っても、そのあり方は様々です!あなたの目標に合ったCEFRレベルはどれですか? A1 猫が遊んでいない。 A2 おもちゃをもっと動かしてみよう。 B1 僕にやらせて。ひもをもっと揺すれば遊んでくれるんじゃないかな。 B2 お店で、もうひとつの猫じゃらしを買うべきだったね。もっと動きがあったから、もっと気に入ってくれただろうに。 C1 猫がおもちゃで遊ばないと決断するに至ったいくつかの要因について考察してみよう。 C2 当該ネコ科動物の玩具に対し、少々の運動エネルギー量を増加させれば、同動物は無気力な天性から脱して遊び心を発揮するかもしれない。
※例文提供:Hope Wilson(楽しい例文をありがとう!)

実のところ、ほとんどの人にとっては、最高レベル(あるいは上級レベル)の語学力は不要です!「その言語を使って何をしたいか」がすべてなのです。バケーションの計画を立てるには、B1レベルで十分に意思疎通できるはずです。一方で敏腕弁護士とやりあって一泡吹かせるには、CEFRの最高レベルであるC2まで上り詰める必要があります。そもそも母語で話していたとしても、C1・C2の語彙や文法を駆使する機会はそう多くありません。

よく「ペラペラ話せるようになりたい」という表現が使われますが、それよりもむしろ「自分なりに快適に話せるようになる」ことを目標とすべきではないでしょうか?やみくもに「ペラペラ」を目指すより、あなたが学習中の言語を使って何をしたいのか、そしてどのレベルに到達すればそれができるのかをチェックしてみると、より具体的な目標設定ができますよ!