Duolingoで学習を始めたばかりの方も、何年も続けている方も、連続記録についてご存じの方は多いことでしょう。連続記録とは、レッスンを継続した日数を記録する機能です。連続記録は、Duolingoの学習者にとっての誇りです。日々ソーシャルメディアで連続記録をシェアする学習者は何千人にも上り、現時点で600万人を超える人が7日以上の連続記録を更新中です!

一見したところ連続記録は、Duolingoならではのゲーム感覚の学習体験をサポートする、単なる遊びのようにも見えます。でも、連続記録はお飾りの数字ではありません!あなたが言語学習のゴールへ向かうモチベーションを維持できるように、周到にデザインされているのです。またDuolingoでは、習慣づけに関する調査研究をもとに、使い心地を継続的に改善しています。

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継続習慣が鍵

言語習得のような時間と努力を必要とする個人的な目標では、継続習慣が身に着くかどうかがまさに勝負どころとなります。しかし研究が示すように、ある行動を同じ状況下で何度も何度も繰り返せば、意識しないでも行えるようになるものです。たとえ新しい言語を勉強するのが面倒でも、ひとたび日常習慣化してしまえばこちらのもの。歯を磨くのと同じくらい自然に感じるようになるはずです!

そして、これこそがDuolingoの連続記録の正体です。連続記録は、あなたがたとえ5分でも毎日練習したということを証明してくれる、目に見える数字なのです。

Duolingoのデータによると、連続記録は、始めたばかりの学習者にとってもベテランの学習者にとってもモチベーションを高める働きがありますが、連続記録が長くなるにつれ、やる気を刺激する仕組みを多少変えていく必要があります。というのも、Duolingoを始めてしばらくの間は、毎日連続記録が更新されるたびに大きな達成感を感じられますが、学習歴が長くなると、記録がもう1日伸びてもそれほどの感動は得られないでしょう(この達成感の違いは数学でも説明できます。学習者の連続記録が2日から3日になれば「記録が50%伸びた」と言えますが、一方、200日が201日になったとしても、0.5%の増加に過ぎません!)。連続記録の初期には、2日、3日、4日...と急上昇していく数字を見ることで、実績が積み上がり学習が習慣付いてきていることを実感し、次の日も頑張ろうという気持ちにもなれるものです。このため、Duolingoのデザイナーやアニメーター、エンジニアのチームは、連続記録の更新時にどれだけハッピーになれるかを追求し、工夫しています。

Duolingoでは最近、連続記録更新の画面に新しいアニメーションを導入しましたが、特に、マイルストーン達成の日に表示されるアニメーションにはこだわり抜きました(詳しくはこちら)。そして驚くべきことに、このアニメーションを見てもらうようにしたことによって、新規学習者が7日後もDuolingoを継続してくれている可能性が +1.7% も上がったのです!この結果は数字としては小さく見えるかもしれませんが、Duolingoでは毎日、沢山の新規学者を迎えています。つまり連続記録のワクワク感が大きくなったというだけで、愛用者が何千人も増え、そしてこれからも増え続けるということです!

一方、連続記録がどんどん伸びて行くにつれて、記録更新の喜びは新鮮さを失ってしまうかもしれません。ところが今度は、「損失回避」の仕組みが働きます。これは、今までの努力がフイになってしまうような行動を全力で回避しようとする、脳の無意識の働きです。誰でもついサボりたくなる日はあるものですが、この損失回避のスイッチが入ると「せっかくの連続記録を失いたくない!」と思い直し、レッスンに取り組めるというわけです。もちろん連続記録を失ってもこれまで身に着けた知識が無くなるわけではありませんが、連続記録の魔法は、記録が長くなればなるほど(そしてそれを誇りに思えば思うほど)、それを死守するためにレッスンを続けてしまうという点にあります!

とはいえ、厳しすぎるのは逆効果

連続記録は学習者にとって大きな原動力となりますが、負の一面もあります。レッスンを1日欠かしただけで連続記録が消滅してしまうと、今度は逆に、学習者のモチベーションを下げてしまうのです。さらには、連続記録を失ったときのがっかり感を味わいたくないがために、そもそも挑戦を避けるようになってしまうかもしれません。そんなことになったら最悪です!

学習者の多くは忙しい毎日を送っており、長期の連続記録を維持するのは至難の業です。家庭の事情、仕事の都合、あるいは息抜きが必要など、誰にでも1~2日くらいはレッスンをお休みする正当な理由があるものです。そこで、連続記録には柔軟性を持たせることにしました。

連続フリーズは、連続記録を1日停止させる機能で、必要に応じて自由にお休みを取れるよう設計されています。この機能、連続記録を維持するための「ズル」のように見えるかもしれませんが、実際には、このような余裕があると頑張りが長続きするのです。これはペンシルバニア大学とUCLAによる研究でも裏付けされており、目標に向かう途中で多少の「ゆとり」を与えたほうが、厳格なルールで縛るよりもモチベーションが高まるという結果が出ています。

Duolingoでは、連続フリーズの仕組みを設けることで、学習者が1日や2日レッスンを休んだとしても、すぐに復帰できるようにしています。また、最近では連続フリーズの枠を広げ、学習者が一度に最大2つのフリーズを利用できるようにしました。この変更によって、レッスンを休んでしまう人は増えたでしょうか?...いいえ、逆に、1日あたりのDuolingoを使用する学習者の人数が +0.38% 増加しました!繰り返しになりますが、これはわずかな違いであっても、毎日Duolingoに取り組んでいる何百万人もの学習者にとって「学習への取り組みやすさがさらに向上した」ということに他なりません。

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学習者は一度に2つまで連続フリーズを使って、連続記録をキープできる。

今日から始めてみませんか?

連続記録はごく単純で楽しい機能ですが、これに努力を投じることによって、学習目標へと向かう道中のお守りになってくれます。Duolingo学習者を調査したデータでは、たった7日間の連続記録を達成しただけでも、コースを完了できる可能性は3.6倍も高くなります。今日からでも遅くはありません。ぜひ、実践してみてくださいね!