英語を学習するのであれば、まず最初に英語のアルファベットを覚え、どのような文字があり、どのように発音するのか、そしてどのような時にアルファベットを単独で使うのかを把握する必要があります。アルファベットがA・B・Cで始まることから、「ABC」という言葉は、「基本中の基本」の意味で使われることもあります。
この記事は、アルファベットについて親しんでもらうことを目的としています。これを読めば、英単語のスペルも怖くなくなり、英語という言語がもっと身近に感じられるはずです!
英語のアルファベットについてのおさらい
英語のアルファベットは26文字で構成され、そのうちの5つが母音で、A、E、I、O、U(※教え方によっては、Yが含まれることもあります)です。残りの21文字は子音となります。それぞれの文字には名称があり、その名称はおおむね、文字の発音と共通しています...とはいえ、実は英語の場合、アルファベット1つに対し複数の音があてはまることがあります。そのため、アルファベットの名称が単語の中での発音と一致しないこともありますが、びっくりする必要はありません。
大文字 | 小文字 | このアルファベットで始まる言葉の例 | 日本語訳 |
---|---|---|---|
A | a | apple | リンゴ |
B | b | boy | 少年 |
C | c | cat | 猫 |
D | d | dog | 犬 |
E | e | elephant | 象 |
F | f | fish | 魚 |
G | g | goat | 山羊 |
H | h | hat | 帽子 |
I | i | ice | 氷 |
J | j | jam | ジャム |
K | k | kite | 凧 |
L | l | lion | ライオン |
M | m | monkey | 猿 |
N | n | nut | 木の実 |
O | o | owl | フクロウ |
P | p | pig | 豚 |
Q | q | queen | 女王 |
R | r | rabbit | ウサギ |
S | s | snake | ヘビ |
T | t | tiger | トラ |
U | u | umbrella | 傘 |
V | v | van | バン |
W | w | whale | クジラ |
X | x | x-ray | X線 |
Y | y | yak | ヤク |
Z | z | zebra | シマウマ |
それぞれの文字には大文字と 小文字の2種類があります。大文字は 「capital」または「big」とも呼ばれ、文頭(そのため「capital」という単語には「頭文字」という意味もあります)や、人名、国名、言語名、会社名などの固有名詞に使用します。大文字の「big(大きい)」に対し、小文字のほうは「little(小さい)」と呼ばれ、「big A(大文字のA)」や 「little A(小文字のA)」という言い方がよく使われます。
アルファベットを単独で使うのはどんな場合?
たとえば、英語話者が電話で話したり、騒がしい環境で会話したりする時には、自分が意図するスペルを明確にし、よく似た音との混同を避けるために特定の単語を例として使うことが多くあります。このような場合に用いられる単語の例では NATOフォネティックコードが有名ですが、その他にも数多くの体系があります。
たとえば、Lily(リリー)が電話で自分の名前を言う時には 「Lion(ライオン)のL、Ice(氷)のI、LionのL、Yak(ウシ科の動物であるヤク)のY 」などの方法でスペルを伝えるわけです。
アルファベットの意外な事実
アルファベット自体は、英語圏のあらゆる国で共通です。ただし1つ1つの文字は、国や地域によって発音が異なります。たとえば、Zは米国では[ズィー]と発音しますが、イギリスでは [ゼッド]と発音します。 それは、この文字の名称がギリシャ文字の「ゼータ」に由来しているからなんです!
学習者の母語によっては、英語の母音の名称は覚えにくいことがあります。というのも、類似のアルファベットを使う言語は他にも数多くあり、しかし言語によってその発音が大きく異なるからです。その理由は、数百年前の英語に起こった「Great Vowel Shift(大母音推移)」と 呼ばれる劇的な音の変化にあります。 そのため、「英語の母音の名称がなかなか覚えられない」という声は珍しくありません。
英語アルファベットのもうひとつの大きな変化は、新たな文字が追加されたり、既存の文字が削除されたりしたことです。英語にはもともと「æ」、「þ」、「ð」という文字がありましたが、「J」、「U」、「W」という文字は存在しませんでした。そして「W」はもともと、2つ並んだ「U」だったのですが、独自の進化を遂げて今のような形となりました。このため、英語では「double U [ダブル・ユー]」、すなわち[ダブリュー]と呼ばれるようになったのです。
ABCは基本中の基本!
電話で住所を読み上げる、初めて聞く単語のスペルを読み上げてもらうなど、アルファベットを使う機会はこれから沢山あることでしょう。たかがABC、と侮らず、この機会に発音を見直してみませんか?