みなさんは英語で「’」の記号を目にしたことはありますか?これは「アポストロフィ」と言います。「ええと、何に付けるんだっけ...?」とすぐに思い出せないのは、日本語話者だけではありません。英語のアポストロフィの使い方は他の言語と異なるうえ、英語を母語とする人でも、そのルールをうっかり間違えるようなことはよくあります。

今回のブログでは、英語でのアポストロフィの使い方の基本をご紹介します!

英語のアポストロフィの機能は主に2つ

英語でアポストロフィを使う場合は、主に2つあります。

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英語でアポストロフィは、文字や数字が省略されたことを示すときや、誰が所有者であるかを示すときに使われます。

英語でアポストロフィは短縮形を表す

まずは省略のケースから始めましょう。英語では、2つの別々の単語を1つにまとめ、短縮形とする場合が多くあります。たとえば「she is」が「she's」になったり、「I have」が「I've」になったり、はたまた「will not」が不規則に変化して「won't」となったりします!

また、西暦の年を表す場合にもアポストロフィによる省略を行います。英語では年の最初の2つの数字を省くことがよくあり、たとえば「1980s(1980年代)」ならば「’80s(80年代)」となります。

英語でよく使われる短縮形

主格代名詞(主語) be動詞との短縮形 haveとの短縮形
I I'm (I + am) I've (I + have)
you you're (you + are) you've (you + have)
he he's (he + is) he's (he + has)
she she's (she + is) she's (she + has)
it it's (it + is) it's (it + has)
we we're (we + are) we've (we + have)
they they're (they + are) they've (they + have)
who who's (who + is) who's (who + has)

「had」「would」「will」「not」は主語によって形を変えないので、主語が何であっても短縮形は同一となり、「had」と「would」は「~'d」、「will」は「~'ll」、「not」は「~n't」です。例文で見てみましょう。

省略形 省略なしの形 日本語訳
I'd already been to Spain. I had already been to Spain. 私は、すでにスペインに行ったことがあった。
We'd go with you if you weren’t leaving so early. We would go with you if you weren’t leaving so early. そんなに早く出発するのでなければ、私たちも一緒に行くのに。
She'll call him this afternoon. She will call him this afternoon. 彼女は、今日の午後、彼に電話するそうです。
He doesn't like mushrooms. He does does not like mushrooms. 彼はキノコが好きではない。

英語で短縮形を使えるのはどんな時?

英語で短縮形は、問題なく使える場合と、避けたほうが良い場合があることに注意しましょう。短縮形を使うか使わないかは本人の好みで決めて良いのですが、ややインフォーマルとみなされるため、テキストメッセージやソーシャルメディアへの投稿、そして時に仕事のメールでも目にすることはあっても、履歴書で目にすることはおそらくないでしょう。

 ただし、短縮形を使わないほうが珍しいようなケースもいくつかあります!たとえば「Let's go to the movies tonight!(今晩映画に行こう!)」の「Let's」は、もともと「Let us」という言葉の短縮形ですが、現代英語では「Let us go to the movies tonight」という表現を使うことはまずありません。「My train is at five o'clock(私の乗る列車は5時です)」の「o'clock」も同様で、そもそもは「of the clock」でした。

英語でアポストロフィは所有格も表す

所有を表すアポストロフィについては、「所有」する側の人・者が単数か複数かによって、配置する場所が変わります。

「所有」する側の人・者が単数の場合

所有する側の人・者が単数の場合は、「s」の前にアポストロフィをつけて「~'s」とします。

単数形の後に「~’s」をつけて所有格とする 意味
the dog's leash その犬のリード
my mom's coat 私の母のコート
Anna's lunch アナのランチ

「所有」する側の人・者が複数の場合

ほとんどの英語の複数名詞は「~s」で終るので、すでに「~s」で終わっている単語にさらに「s」をつけて「~s’s」とするのではなく、「~s」の後にアポストロフィをつけて「~s’」とします。

複数形「~s」の後にアポストロフィをつけて「~s’」とする 意味
my cats' beds 私の猫たちの寝床
his parents' house 両親の家
my friends' desks 友人たちの机

英語の名詞の中にはたまに、複数形でも語尾が「~s」にならないものがあります。例えば、「woman⇒ women」「man⇒men」「child⇒children」「mouse⇒mice」「fish⇒fish(変化しない)」など。このような場合は、複数形でも単数形と同じく「~'s」とします!

不規則な複数形の場合は「~'s」とする 意味
the children's books 子ども達の本
the mice's cheese そのネズミのチーズ

所有を表してもアポストロフィを付けない場合

直感に反するかもしれませんが、所有代名詞の「 its」や「whose」にはアポストロフィが付きません。もっとも、たまに間違えても心配しないでください!英語話者でさえも、「it's」と「its」、「who's」と「whose」を、意味がまったく違うにもかかわらず、逆に使ってしまうことがあります。下の例文でその違いを確認してみてください:

例文 意味
The house has a roof, and its roof is red. its roof = その家の屋根
(その家には屋根があり、その屋根は赤い。)
It's a red roof. It is a red roof.
(それは赤い屋根だ。)
I want to know whose cute dog this is! I want to know who this cute dog belongs to!
(私は、そのかわいい犬が誰のものかを知りたい。)
Who's the cutest dog in the world? Who is the cutest dog in the world?
(どれが世界一かわいい犬なんだろう?)

一見小さくて地味な記号、でも大事!

以上が、英語でのアポストロフィの使い方の基本的なルールです。ただ、英語話者によって違いがあったとしても驚かないでください!英語の短縮形と所有のルールを練習するには、ぜひDuolingoのレッスンも活用してくださいね!