道順を聞きたい旅行者であれ、多国籍企業でバリバリ働く上級学習者であれ、英語で質問したければ、疑問文を作れるようになる必要があります。学習者が遭遇する疑問文には多くの種類がありますが、最も一般的な型のひとつが「Yes/No疑問文」です。

Yes/No疑問文とは、「Yes(はい)」か「No(いいえ)」で答えられる質問のこと。これに対し、より具体的な情報を尋ねる質問、たとえば「Where is the museum?(美術館/博物館はどこですか?)や「When is the meeting?(ミーティングはいつですか?)」などは、「WH疑問文」という別の種類の疑問文となります。

Yes/No疑問文は、次のような形をしています。

  • Are they your parents? (彼らはあなたの両親ですか?)
  • Would you like to go to the park with me?(一緒に公園に行かない?)
  • Does she play guitar? (彼女はギターを弾くの?)

Yes/No疑問文の作り方は、「語順の公式」に従うだけ。それではその方法について説明していきます!


目次

Yes/No疑問文:まずはじめに

カテゴリー1:be動詞または助動詞を含むYes/No疑問文

カテゴリー2:その他のYes/No疑問文

英語のYes/No疑問文の例


Yes/No疑問文:まずはじめに

英語のYes/No疑問文は、質問に含まれている動詞/助動詞の種類によって、2つのカテゴリーに分けることができます。それぞれのカテゴリーには、独自のルールと公式があり、それによって単語の置き換え方が違います。

まずはじめに、質問を疑問文ではなく肯定文で考えてみましょう。これは、「はい」という返事の後に続く文章を想像すればやりやすいはずです。次に、文中の最初の動詞または助動詞を探します(例:文中で太字になっているのが、最初の動詞です)。

  • (Yes) they were making dinner. (彼らは夕食を作っていた。)
  • (Yes) his mother goes to France often. (彼の母親はよくフランスに行く。)
  • (Yes) we made a reservation for tonight. (私たちは今夜の予約をした。)

この「最初の動詞または助動詞」が「be動詞」か「助動詞」の場合は「カテゴリー1」の公式を使い、それ以外の動詞の場合は「カテゴリー2」の公式を使います。

1️⃣ カテゴリー1:be動詞または助動詞が文中に含まれる場合
次のいずれかが含まれていたら、このカテゴリーに相当します。

  • be動詞の活用形。 be動詞は現在形では「am」「is」「are」、過去形では「was」「were」の形をとります。
  • 助動詞。
    • 動詞に対し能力・可能性・義務・推測などのニュアンスを付加する助動詞の「can」「could」「should」「would」など。
    • 意思や未来を表す「will(たとえばwill go)」、時制をあらわし現在完了形や過去完了形を作る「have/has/had(たとえばhave gone)」など。

※ここでの「be動詞」と「助動詞」については、この記事の最後により詳しい説明を補足しました。

2️⃣ カテゴリー2:それ以外
つまり、be動詞も助動詞も含まれなければ、もれなくこちらのカテゴリーです😅

動詞・助動詞に注目してどちらのカテゴリーにあたるかを判定できれば、以下の公式のどちらを使って肯定文を疑問文に変えるのかがわかります!

カテゴリー1:be動詞または助動詞を含むYes/No疑問文

※ここで言う「be動詞・助動詞」について、その種類や例について詳しく確認したい方は、この記事の最後にある補足を確認してください。

カテゴリー1のYes/No疑問文でやることはたった1つ、be動詞か助動詞を文の最初に移動させるだけ。よって主語はその直後となり、さらに文の残りの部分がそのまま続きます。

以下の表で、肯定文にこの変更を加え、疑問文に変える方法を説明します。

He is at school.
(彼は学校にいる。)
They were making dinner.
(彼らは晩御飯を作っている。)
Our friends should have a party.
(我々の友人たちがパーティを開くべきだ。)
be動詞または助動詞を、文頭に移動する Is he ___ at school Were they ___ making dinner Should our friends ___ have a party
完成した疑問文 Is he at school?
(彼は学校にいますか?)
Were they making dinner?
(彼らは晩御飯を作っていますか?)
Should our friends have a party?
(我々の友人たちがパーティーを開くべきだろうか?)

もうひとつの考え方として、
【カテゴリー1公式】=(be動詞または助動詞)+(主語)+(文の残りの部分)
として覚えても良いでしょう。

be動詞または助動詞 主語 文章の残りの部分 日本語訳
Is he at school 彼は学校にいますか?
Were they making dinner 彼らは晩御飯を作っていますか?
Should our friends have a party 我々の友人がパーティーを開くべきだろうか?

以上です!実は昔の英語では、あらゆるYes/No疑問文に対しこの単純なルールが使われていましたが、その後何世紀にもわたって英語は大きく変化しました。そのため現在では、カテゴリー2のYes/No疑問文が存在するのです!

カテゴリー2:その他のYes/No疑問文

「Yes/No」を尋ねる質問にbe動詞も助動詞も含まれていない場合は、肯定文から疑問文への変換には2つの変更を行う必要があります。

  • ステップ1:文の頭に「do」を適切に活用させたものを追加する。
  • ステップ2:動詞を原形に戻す。

ステップ1の「do」には、現在形なら人称に応じて「do」または「does」、過去形なら「did」を使います。この質問のdoは、何かを「する」という意味の動詞「do」ではありません。いわば文頭で「これから質問をしますよ」ということを知らせる合図のようなものだと考えてください。

ステップ2では、もともとの動詞を原形(辞書をひくときに使う、活用していない形)に戻します。よって肯定文では「sees(主語が三人称単数)」や「saw(過去形)」だったとしても、 一律で「see」となります。

この2つのルールを文に適用して、Yes/Noの質問に仕上げるプロセスを以下にまとめました。

You like to eat ice cream.
(あなたはアイスクリームを食べるのが好きです。)
His mother goes to France often.
(彼の母親はよくフランスに行く。)
I did that.
(私がそれをした)
1. 文頭に、「do」を活用させたものを追加する Do you like to eat ice cream Does his mother goes to France often Did I did that
2. 動詞を原形に変える Do you like to eat ice cream Does his mother go to France often Did I do that
完成した疑問文 Do you like to eat ice cream?
(あなたはアイスクリームを食べるのが好きですか?)
Does his mother go to France often?
(彼の母親はフランスによくいきますか?)
Did I do that?
(私がそれをしたの?)

よってこの場合の公式は、
【カテゴリー2公式】=(doの活用形)+(主語)+(動詞の原形)+(文の残りの部分)
となります。

do」の活用形 主語 動詞の原形 文の残りの部分 日本語訳
Do you like to eat ice cream あなたはアイスクリームを食べるのが好きですか?
Does his mother go to France often 彼の母親はよくフランスに行きますか?
Did I do that 私がそれをしたの?

カテゴリー2のYes/No疑問文で一番難しいのは、動詞の扱いです。動詞が原形に変わることを忘れないようにしてください。ここでは「疑問文であることを文頭で示す合図」である「do」が主語に応じて変化するため、もともとの動詞は原形に戻ります。

※動詞の原形についても、この記事の最後に補足説明があります。

あとは実践あるのみ💪

英語のYes/No疑問文は、日々の生活を送る上で欠かせない表現です!Yes/No疑問文の2つのカテゴリーの公式を理解しモヤモヤを解消しておけば、動詞・助動詞に注目して素早く疑問文を作ることができるようになります。

Can you do it? (できますか?)...Yes, you can!(そう、あなたはできる!)


英語のYes/No疑問文の例文

be動詞または助動詞が使われている場合

be動詞

  • Are you from Ecuador?(あなたはエクアドルの出身ですか?)
  • Is the store open?(そのお店は開いていますか?)
  • Am I early?(私、着くのが早すぎたかしら?)
  • Are there tickets for 5pm?(午後5時のチケットはありますか?)
  • Was the line long?(列は長かったですか?)
  • Were you looking for the theater?(あなたは劇場を探していたのですか?)

助動詞(動詞に対し能力・可能性・義務・推測などのニュアンスを付加するもの)

  • Can we check in now? (今すぐチェックインできますか?)
  • Could you bring me more water?(もっと水を持ってきていただけますか?)
  • Would she be able to meet us for ice cream?(彼女は僕たちと会ってアイスクリームを食べれるだろうか?=彼女は僕たちと一緒にアイスクリームを食べる時間はあるだろうか?)
  • Might they have more availability on Thursday?(彼ら、木曜日にはもっと時間の余裕があったりするかな?)
  • Should he pay for the tour in person?(彼はツアーの代金を払いに行かなければなりませんか?)
  • May I use the hotel telephone? (ホテルの電話を使ってもいいですか?)
  • Must we make dinner reservations in advance?(前もってディナーの予約をする必要はありますか?)

助動詞(時制を表すもの)

  • Have you visited Chicago before?(あなたは以前にシカゴを尋ねたことはありますか?) 
  • Has anyone found a brown hat?(誰か、茶色の帽子を見つけた人はいますか?)
  • Had he already decided on the itinerary?(彼はすでに、旅程について決めただろうか?)
  • Will you call me when you get home?(家に着いたら、私に電話してくれますか?)
  • Have they seen the movie yet?(彼らは映画をもう見たかな?)

その他の場合

  • Do you travel often?(あなたはしょっちゅう旅行しますか?)
  • Did you see the weather report for Monday?(月曜日の天気予報を見た?)
  • Do I need to bring my jacket? (上着を持っていく必要はありますか?)
  • Does the bill include the tip? (会計にチップは含まれていますか?)
  • Did we buy ferry tickets for the Statue of Liberty? (僕たち、自由の女神のフェリーのチケットはもう買ったんだっけ?)

英語の動詞と助動詞についての補足

be動詞
疑問文では、be動詞は他の動詞とは異なる扱いを受けます。非常に不規則な活用があるので、まずはbe動詞の活用で迷わないようにしておく必要があり、それができればYes/No疑問文を作るのは難しくありません!

動詞に対し能力・可能性・義務・推測などのニュアンスを付加する助動詞
この種の助動詞は、専門的には「法助動詞」と呼ばれるもので、必ず動詞とセットで使われます。 英語の法助動詞は主語に合わせて活用することがないので、動詞の語尾を気にする必要がありません! よく使われる法助動詞には「can」「could」「should」「would」などがあります。

時制を表す助動詞
これらの助動詞は、動詞の前に置くことで動詞の時制を表すのを「助け」る働きがあります。 「will」は未来時制を、「have/has/had」は完了時制を表す助動詞です。

動詞の原形
動詞の原形は動詞の基本形と考えることができ、辞書に載っている形です。現代英語のbe動詞以外の動詞の活用は非常にバリエーションが少なく、たとえば現在形では3人称単数(「walks」の「~s」など以外には原形と同じとなるため、逆に原形を意識する機会があまりありません!

日本語 原形 I/you/we/theyでの活用形 he/she/itでの活用形
to go
(行く)
go (I) go (he) goes
to walk
(歩く)
walk (I) walk (he) walks
to eat
(食べる)
eat (I) eat (he) eats

カテゴリー2のYes/No疑問文では動詞を原形に戻す必要がありますが、このように原形と同じ活用形がままあるため、逆に「原形に戻す」という作業を忘れがちになります