2025年版Duolingo Language Reportでは、世界中で数億人を超えるDuolingo学習者からのデータに基づき、最新の言語学習状況や学習者の動向を紹介します。Duolingoは世界No.1のダウンロード数を誇る教育アプリで、40以上の言語、数学、音楽、チェスにも対応する、280以上のコースがすべて無料で利用できます。世界中の学習者がどの言語を学びたいのか、また学習者の関心が時間や地域によってどのように変化するのかについて、私たち独自の知見をこのレポートでお届けします。過去の傾向については2020年、2021年、2022年、2023年、および2024年のレポートをご覧ください。
2025年、世界中で新たな層が言語学習に参入し、拡大する学習者層が言語トレンドを新たな高みへと押し上げました。Duolingoのデータが明確に示すように、世界的な学習意欲は過去最高レベルに達しています。
今年、Duolingoは学習者の新たなスキル習得ニーズに対し、2つの形で応えました。第一に、Duolingoは20以上の言語話者向けに、148の新コースをリリースしました。第二に、言語・数学・音楽に続く新たなラインナップとして、チェスコースを導入しました。
無料で質の高い言語教育へのアクセスが拡大する中、世界の人々の言語学習への情熱に対する私たちの見方がどのように変わりつつあるか、その実態を以下でご紹介します。
2025年版 言語学習ハイライト
日本語と韓国語が世界中で人気上昇中
2025年、日本語はドイツ語を上回って世界で4番目に人気の学習言語となり、韓国語はイタリア語を上回って6位となりました。これら2つの言語は長年学習者に人気でしたが、今年は学習者にとって変化がありました。20以上の言語話者が、初めて母語から直接、日本語と韓国語を学べるようになったのです。
これまで、これら2つの東アジア言語のコースは英語・日本語・中国語話者にのみ提供されていました。しかし、Duolingoのコース拡充により、これまで以上に多くの学習者が母語から日本語と韓国語を学べるようになりました。そして2025年には、非常に多くの学習者が母語で学習したことにより、世界の言語ランキングにも変化が生まれたのです。
英語は全世界の79%の国で最も学習されている言語である
今年、英語学習は再び急増し、154か国で第1位の学習言語となり、2024年比で14%増加しました。現在、英語が人気言語トップ2に入っていない国は、わずか25か国しかありません。さらに英語は、米国、スウェーデン、タンザニアなど、英語能力が高い国や、公用語として広く使用される地域でも高い順位を占めています。
世界の多くの地域では、教育へのアクセスや経済的な機会を得る上で英語力が重要であるため、英語の人気自体は目新しいものではありません。しかし、その影響力の規模は拡大し続けています。Duolingoの学習者にとって、英語学習はこれまでになく容易になりました。27言語話者向けに英語コースを提供しているほか、Duolingoは現在、中級者・上級者向けの上級英語コースも提供しています。この新コースは英語と他言語の翻訳に依存しないため、あらゆる言語背景を持つ学習者がDuolingoで英語力を伸ばせるようになっています。
英語学習の需要が高まるにつれ資格認定の需要も増加
英語の世界的な影響力は、学習者数だけでなく、スキル認定を求める人々の数にも表れています。2025年には、219か国・148の母語を話す人々がDuolingo English Test(DET)を受験し、2024年と比べて顕著な増加を示しました。アジアは引き続きトップを維持し、全受験セッションの55%を占めました。一方、アフリカは、ナイジェリア、エチオピア、ガーナでの人気上昇を背景に、シェアが前年比7%から8.3%に上昇しました。DET受験者における非英語母語話者グループの上位3位は、中国語、スペイン語、アラビア語話者で変わらず、これら3言語で全セッションの約31%を占めています。
中国語、韓国語、ポルトガル語が最も急速に成長している言語に
これら3つの言語は、世界最大級の言語学習市場において、最も急速に成長している言語として注目に値します。
中国語は、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、ドイツ、フランス、インドネシア、メキシコ、ポーランド、韓国、スペイン、タイ、トルコにおいて最も急速に成長している言語であり、米国においても成長率第2位の学習言語となっています。
韓国語は、アルゼンチン、コロンビア、ドイツ、フランス、メキシコ、スペイン、ポーランドの7か国で、世界で2番目に急成長している言語となっています。
ポルトガル語は、中国とインドで最も急速に成長している言語の第1位を占めており、おそらくブラジルの経済的・文化的影響力の拡大が背景にあると考えられます。また、インドネシア、日本、韓国、トルコでは第2位となっています。
多言語国家ランキングで新たな2か国が首位に躍り出る
2025年の多言語国家ランキングで新たな上位国が登場しました。フィンランド、ドイツ、英国が長年「3言語以上学習者数最多国」の座を争ってきましたが、なんと日本が首位を奪取。2位にはオーストラリアが入りました。予想通り、3位にフィンランド、4位にドイツ、5位に英国が続いています。
日本の学習者は最も熱心な学習者として安定の地位をキープ
日本は、学習に費やす平均時間に基づく「最も熱心な学習者」を要する国として、2年連続、そして過去4年間で3度目の首位を獲得しました。上位5か国には、このランキングでおなじみのハンガリー(2位)、ベラルーシ(3位)、ロシア(4位)、ドイツ(5位)が続いています。
最も真剣な学習者が多い言語ランキングでスペイン語が首位
真剣な学習者を最も惹きつける言語ランキングでは、人気言語が上位を占め、スペイン語が1位、英語が2位、イタリア語が3位となっています。その後、ウェールズ語が4位、ノルウェー語が5位と、熱心な学習者を抱える比較的一般的ではない言語が続いています。
ラテン語学習者は他の科目にも積極的
Duolingoは現在、言語以外の科目も提供しており、ラテン語を学ぶ学習者は他の言語学習者に比べ、チェス・数学・音楽の学習に関心が高いという結果がでました。ラテン語学習者の19%以上がチェスも学び、14%が数学、13%が音楽も学んでいます。
2025年 世界のトレンド概要





データについて
2025年版Duolingo Language Reportには、2024年10月1日から2025年9月30日の間にDuolingoで言語を学習した学習者の情報が含まれています。データは、学習者のプライバシー保護の観点より国別または言語別に集計されました。国別集計は、こちらに概説されている国際的に認知された独立した自治体に基づいています。対象となった国と言語の全リストはこちらでご確認いただけます。年齢と学習の動機に関するデータは自己申告であり、13歳未満の学習者はすべての分析から除外されています。また、学習者のプライバシー保護の観点から、Duolingo学習者数が5,000人未満の国はランキングより除外しています。