「Duolingoへの質問」へようこそ。このコラムでは言語学習者へのアドバイスをご紹介します。過去の記事はこちらをご覧ください。
学習者の皆さん、こんにちは!今週はちょっと趣向を変え、Duolingo数学チームのエキスパート、キャシー・フリーマンとアリソン・ファルコから、Duolingoへの質問にご回答します!今回の質問は、数学と言語の交差点についてです。また、Duolingoは12周年を迎えました!これとも関係のあるトピックです。では、今週の質問を見てみましょう。
今週の質問
素晴らしい洞察ですね!おっしゃる通り、その理由の一部は言語の系統に関係しています。ただし理由はもう1つあり、人類の脳とその歴史にも深く関係しているんです!
「数の数え方」の歴史
数え方についてまず知っておくべきことは、私たちが「数える」という行為を始めたきっかけです。そもそも数千年前は、それほど多くの数を数える必要はありませんでした。集落の人数、群れの中にいる動物の数、または日数など、比較的小さな数を把握する必要があったに過ぎません。
その結果、小さな数、特に指(と足の指)で数えられる数は、より大きな数とは違った扱いを受けるようになりました。実際に、5つの単位で数える画線法は、約3万年前までさかのぼることができます!より大きな数はずっと後になってから使われるようになり、その命名法も、後から考えられたものです。
そのため多くの言語では、10までの数字(1、2、3など)には1つ1つ違った呼び方がありますが、10より後の数字には、その名称に何らかのパターンがみられます。
10の何が特別なの?
それは、人類がかつて、指を使って数を数えていたからです!そのため多くの文化で、「10」という数字は特別な地位を占めるようになりました。
このような文化圏では、10が日常生活で数を数えるための基準として定着し、言語にもそれが反映されています!10を基準に数える文化では、小数は10で割った数として表され(例えば「4.3」は、4と10分の3にあたります)、一方、より大きな数は、10のグループとして表現されます(「20」は、古英語では文字通り「10が2つ」という呼び方をされていました)。
時が経ち、10と100(10の二乗)のような10の累乗は、長さ・温度・お金・時間など、社会を動かすシステムの基礎となりました。例えば、
- 1メートルは100センチメートルですが、この「センチ」の語源はラテン語の「100」で、「100分の1」を表しています。
- 摂氏温度は、水が氷になる温度と水が沸騰する温度の間を100分割して表しています。
- 1ドルは100セントです。メートル法同様、「セント」の語源はラテン語の「100」です。
- 英語で10年を「decade」、100年を「century」と言いますが、この「dec」の語源は「10」、「cent」の語源は...もうわかりましたね。
しかし、現在使われている数え方は、10だけではありません!12進数(1日は24時間、1年は12ヶ月、1フィートは12インチ...そしてドーナツを数える単位は1ダース🍩)、20進数、そして27進数というものも存在します。
「11」と「12」が変なのは「10」のせい
「11」と「12」を表す単語が「13」から「19」までと異なることが多いのも、「10」があまりに重要だからです。特に英語の場合「eleven(11)」と「twelve(12)」は、言葉そのものがちょっとした計算を表しています!
実は、これらの語源は引き算なんです。「eleven」は、古英語の「enleofan(1つ残った)」に由来しており、これは10を数えた後に1が残ることを意味しています。同様に「twelve(12)」も、10を数えた後に2が残るという意味です。
英語とドイツ語では、12を超えると語尾に「-teen」(ten、つまり10を意味します)が付くパターンとなります。しかし他の言語の中には、これが16から始まるような、さらに「奇妙な」ものもあります。
一方で日本語、北京語、韓国語はすべて、11から19までが「ten-one(10と1)」、「ten-two(10と2)」、そして 「ten-nine(10と9)」のように、パターンに例外がありません。このように数字の命名法が規則的だと、幼児が数の数え方を覚えるのが少し早くなる傾向があるそうです!
英語 | ドイツ語 | スペイン語 | フランス語 | 日本語 | |
---|---|---|---|---|---|
10 | ten | zehn | diez | dix | 十 (juu) |
11 | eleven | elf | once | onze | 十一 (juu ichi) |
12 | twelve | zwölf | doce | douze | 十二 (juu ni) |
13 | thirteen | dreizehn | trece | treize | 十三 (juu san) |
14 | fourteen | vierzehn | catorce | quatorze | 十四 (juu shi、またはjuu yon) |
15 | fifteen | fünfzehn | quince | quinze | 十五 (juu go) |
16 | sixteen | sechzehn | dieciséis | seize | 十六 (juu roku) |
17 | seventeen | siebzehn | diecisiete | dix-sept | 十七 (juu shichiまたはjuu nana) |
数学と言語は深くつながっています!
数学と言語のつながりは歴史の長きにわたるもので、決してDuolingoの発明ではないことがお分かりいただけたでしょうか?でも、Duolingoの12周年記念に、数の名称の不思議(「12」はなぜ「two-teen」でも「tenty-two」でもなく「twelve」なのか)について調べたり考えたりしてみてください。きっと語学も数学ももっと好きになりますよ🤓
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