私は自他ともに認める語学学習の「達人」であり、教師でもあります。よって、言語交換のパートナーを持つという経験もかなり豊富にあります。学習中の言語を話す人と定期的に会って会話をし、文化交流を続けています。数十年にわたる実践と試行錯誤のおかげで、自分に合った言語交換の方法や、どのように相手と交流するのが良いかも分かってきました。
今回の記事では、私なりに発掘した、言語交換を最大活用するための秘訣をご紹介します。
秘訣①出し惜しみをしない
以前の私は、新しい言語だけを練習したくて、あえて英語やフランス語(この2つは私が不自由なく使える言語です)を話せないパートナーを探したものです。でも本来は、言語交換とは自分の言語と相手の言語を「交換」することなのです。よって、新しい言語の勉強にしかるべき時間を割きつつ、自分の言語を惜しみなく共有することには、きちんと利点があります!
この 「お互いに与えあう」言語交換は、効率重視のやり方と比べて、むしろ豊かなものになるはずです。なぜなら二人がお互いに教えてもらえる機会に感謝するとともに、自国の文化の大使、そして教師としての自覚が生まれるからです。努めて与えあうようにすることによって好循環が生まれ、あなたと学習パートナーの双方が、相手への投資を惜しまないようになります。時にはあなたが会話をリードし、自分の個性をアピールしてみたり、どんな言葉づかいでどんなトピックについて話すかを積極的に提案してみたりするのも良いでしょう。教えと学びのバランスがうまく取れたときにこそ、真の友情が生まれ、有意義な関係が築かれていくのです。
秘訣②繰り返す&記録する
私がよく使うテクニックのひとつは、言語交換中にボイスレコーダーを使うことです。会話の一部を記録し、後で勉強するための戦略です。だいたい、次のようにやっています。
1. 言語交換で会うときには毎回、学習中の言語で何か(たとえば昨日したことなど)について話す。次にパートナーに、自分の言語で同じ内容を繰り返してもらう。
2. 終了後、自宅で録音を聴き、「なるほど」と思った単語、言い回し、文章全体などをピックアップする。
3. ピックアップしたものをまず一人で練習し、その後、次の言語交換で使ってみる!
これは「何を言うべきか」だけでなく、「どのように 言うべきか」も同時に学ぶことができる、優れた方法です。私はこの方法で、砕けた口語表現、新しい語彙、そして「定番」の言い回しを仕入れています。
秘訣③具体的な質問を準備しておく
言語交換では、積極的に発言することがとても重要です。パートナーに会話の進行をリードしてもらう一方で、「あー、うー、言葉が出てこない!」と感じたら、遠慮せずに相手に助けを求めましょう。私が個人的に使っている方法をご紹介すると、何かを言おうとしているのに相手が理解してくれなかったときや、文章の途中で言葉に詰まってしまったときなどにはすかさず録音し、自分がどんな間違いをしたのかを記録に残すようにしています。
これらの録音の中から本当に学びたいもの、もっと理解したいものを1つ選び、言語交換のときに持って行きます。そしてパートナーに「こんな場合、どう言ったらいいの?」と聞き、答えを書き留め(または録音し)、家に帰ってから練習します。最後に仕上げのチャレンジとして、同じ週のうちに新しく仕入れた言い回しを使って会話してみます。この方法ならば自分の学習ニーズに合ったテーマを言語交換に取り入れることができるので、実際に必要とする知識が身に付き、自分なりの学習目標に向かって進歩していくことができます。
次の言語交換で試してみよう!
新しい言語の基本を学んだら、言語交換のパートナーと練習してみる。これは、学んだことを応用するための、楽しくてやりがいのある方法です。「達人の秘訣」を参考に、自分に合ったやり方をぜひ見つけてくださいね!