Duolingoでは、学習にいつも真剣に取り組んでいます。だからといって、遊び心を持っていないわけではありません!みなさんもおそらく、私たちがSNSなどのソーシャルメディア上でふざけているところを見かけたことがあると思います。エイプリルフールの大騒ぎもその一つですね。さらにDuolingoのレッスンでも、かなりクセのあるヘンテコな文に出くわしたことがあるかもしれません。世界がまだパンデミックの最中にあった2020年、このDuolingoのヘンテコな文が人々の不安な気持ちに安らぎを与え、Duolingoコミュニティでちょっとしたブームを引き起こしました。そしてその年の12月には、Duolingoの学習者が2020年で最も印象的だった文を投票する「Most 2020 Phrase」が開催されたのですが、予想通り、どの候補も面白おかしな文ばかりでした!

Duolingoレッスンに出てくるヘンテコな文のスクリーンショット2枚。左の画面は「今日も遠くを眺め、涙を流す。(Today I will gaze into the distance and cry as well)」右の画面は「僕は泣いていない。泣いているのは君だろう!(I’m not crying. The one who is crying is you!)」の文言。

この投票の結果、2020年を代表するDuolingoのフレーズには「I am eating bread and crying on the floor(私はパンを食べながら、床で泣いています)」が一番人気を獲得しました。このイベントを記念し、パンと涙を拭くためのティッシュを入れるのにぴったりなサイズの限定盤トートバッグを製作しました。

Duolingoの練習問題「I am eating bread and crying on the floor(私はパンを食べながら、床で泣いています)」のスクリーンショット Most 2020 Phrase 受賞文「I am eating bread and crying on the floor(私はパンを食べながら、床で泣いています)」のスウェーデン語版がDuolingoのロゴとともに写された緑色のキャンバス地のトートバッグの写真

翌年2021年には、「精神的に疲れている」が最も人気のフレーズとして栄誉に輝きました。この年には複数の言語でこのフレーズをプリントした限定品のTシャツを製作し、自分の気持ちを静かにアピールしてもらいました。

shirt

それにしてもこの一風変わった文の数々は一体何なのでしょう?なぜ語学のレッスンに、このような文が使われるのでしょうか?この種の文は、果たして学習の役に立つのでしょうか?答えは「Yes!」です。今回のブログでは、こうしたヘンテコな文が学習で果たす役割や、Duolingoのカリキュラムに導入された経緯をお話ししたいと思います。

気軽に取り組める学習

Duolingoでは、学習内容に興味を持ち熱心に取り組んでいる時こそ、最高の学習体験が生まれると考えています。結局のところ、学習者が関心を向けてくれなければ学習は成り立ちません。だからこそ、Duolingoでは多種多様な言語コースを提供し、どの言語でも、まず最初に覚えるべき表現・フレーズ(「I'm sorry.」「How are you?」など)や、必須の活用・文型(動詞の活用形など)をしっかりと組み込んでいます。レッスン中に時々現れるヘンテコな文は、自然と学習者の興味をひきつけるため、飽きずに勉強を続けることができるようになります。

おかしな文には「一度見ると忘れられない」という力があり、「記憶に定着するきっかけ」として、基本文法の重要な部分を覚えるのに役立ちます。馬やりんご、そして義理の母が同時に登場するような、一見するとヘンテコな文の中には、動詞の活用や語順のルールのほか、文を作る時にも使える語彙が散りばめられています。レッスン中に笑ったり呆れたりしながら、このような文を通して学ぶことで、そこで使われていた文法を必要に応じて思い出すことができ、記憶の定着につながります。

私たちの目標は、学習者のみなさんが学んでいる言語で意思疎通でき、自分の意見や考えを表現できるようになることであり、遊び心あふれる文は、あくまでそのための手段の一つとして導入されています。まったく同じフレーズを実際に使う必要があるわけではありません。しかしコミュニケーションとは、ルールと応用力を学ぶことです。「Tu habites avec un cheval?(君は馬と一緒に住んでいますか?)」のようなヘンテコな一文が目に留まった場合、この時点で既に、直接疑問文の作り方、「cheval(馬)」はフランス語で男性名詞なのか女性名詞なのか、そして「Tu(君は/が)」の後に続く動詞の活用形を学んでいることになります。これさえ知っていれば、フランスに旅行して友達を作る機会があったとき、「馬と一緒に住んでいますか」と聞くかわりに、「ご両親と一緒に住んでいますか」や「友達と一緒に住んでいますか」と聞くことができますね。ですから、これらの文が頭から離れなくなったとしても、このおかしさを楽しんで、むしろこれは学習が順調に進んでいる、良い傾向なのだと受け止めてみてください!

カウボーイがソファに座って馬と一緒に干草を食べているイラスト。上部に「Tu habites avec un cheval?(馬と一緒に住んでいますか?)」、下部には「変な表現だけど、役に立つ文法が学べるよ!」の文言。

ヘンテコな文が生まれるまで

Duolingoでは、開始当初から奇想天外に思えるような文も受け入れてきました。たとえばスウェーデン語のコースで登場する「The nineties called and wanted its shirt back(90年代が電話をかけてシャツを返して欲しいと言ってきた)」のような文です。それにしてもなぜ、このような文がコース設計で採用されたのでしょうか?

Duolingoの練習問題に使う文を作成する際、学習者がその言語で習得したいこと、つまり学習目標を初めに考えてからスタートします。最初の目標は、日常生活の中で必要となりそうな会話の練習ができる学習体験を作り出すことです。次に、コミュニケーションに必要な単語や文法を考え出します。そしてここからが腕の見せ所です。優秀なライターや言語教育の専門家で構成されたDuolingoのチームが、様々な制約条件に従いながら何百もの文を作成していきます。詳細については、こちらをご覧ください。

Duolingoチームのライターや言語の専門家たちは、レッスンを構築する際、「What is your son's name?(息子さんのお名前は何ですか?)」のように実際にすぐに役立つ表現と、記憶に残るような少し変でおかしな文の割合に気を配りながら、個性豊かな学習内容となるように努めています。ライターたちは、常に各レッスンの学習目標を最優先としたうえで、時にクセのある表現も織り交ぜながら、ユーモアに富んでいて面白いと思えるような学習内容の構築に知恵を絞っています。

Duolingoのキャラクターであるジュニアが「My cat is scared of cucumbers.(私の猫はキュウリが怖い。)」と言っている練習問題のスクリーンショット

言語の学習には決まり文句の定型表現と、型にはまらない奇抜な表現のどちらもが必要です。これらは、映画・音楽・ドラマ・オンラインフォーラムなどで見かける、あまり馴染みのない表現やユーモア、さらに文法そのものを理解する下地となります。どの表現も、重要な単語や文法を覚えるのに役立ち、日常会話の基本を練習する機会をつくってくれています。そしてもちろん学習の旅を楽しむことこそ、モチベーション維持の秘訣です。

ぜひDuolingoで学習を進めて、ヘンテコな文に注目してください。もしかしたら、まだ隠れたままの傑作を発掘できるかもしれません。

Duolingoキャラクターであるルーシーが「前にその巨大なアヒルを見たことがありますか?」と言っている練習問題のスクリーンショット

語学は大変、だからDuolingoでは楽しい学習を!

応用力というものも語学においては重要な要素です。だからこそDuolingoのコースでは、典型的なフレーズと、学習と記憶に必要な基礎を含んだヘンテコな文をバランスよく織り交ぜています。私たちの一風変わった文は、学習者のみなさんの記憶に残り、学習を楽しみながらも重要な文法事項をしっかりと把握できるよう設計されています。

今度、頭の中に「Pedro, dance with your girlfriend! (ペドロ、ガールフレンドと踊りなよ!)」のような文が浮かんだ時、まずは笑って、そしてその文を覚えておいてください。語学において、もしくは人生において、この文がいつか必ず実を結ぶ時がくるはずです😉