英語の方言をいくつかあげてください、と言われたら、何が頭に浮かびますか?イギリス英語、アメリカ英語、そしてオーストラリア英語などはとても有名ですが、あまり知られていない方言の1つに「カナダ英語」があります!
カナダ英語は北米方言の1つで、イギリス英語とアメリカ英語の両方の特徴を持っています。さらにカナダ国内でも複数の方言があり、その多くは先住民の現地語や他の欧州言語、さらには他の英語方言の影響をも受け継いでいます。例えば、ニューファンドランドで話されているカナダ英語は、アイルランドやスコットランドの影響を色濃く残しています!
それでは、カナダ英語の特徴を具体的に見てみましょう🍁
カナダ英語のスペル
カナダは歴史的にイギリスと強い結びつきがあり、その結果、イギリス式のスペルが多く残っていますが、一方でアメリカ式のスペルも見られます!
カナダとイギリスで共通のスペル | アメリカでのスペル | カナダとアメリカで共通のスペル | イギリスでのスペル |
---|---|---|---|
colour | color | organize | organise |
theatre | theater | encyclopedia | encyclopædia |
cheque | check | analyze | analyse |
カナダという国の歴がまさにスペルに反映されているわけですが、カナダ英語の特徴はそれだけではありません。
カナダ英語の発音
スペルと同様に、カナダ英語の発音にも、イギリスとアメリカ両方の特徴が見られます。
例として、イギリス英語の発音を受け継いだ単語をいくつか紹介しましょう。
- pasta(米国式は)
- progress(米国式は)
- band(米国式は)
ただし、カナダ独特の発音も多くあります。たとえば、カナダ英語では「out」の発音が他の方言とは異なり、したがって「out」と「owl」は同じ発音にはなりません!
カナダ人が「out」という単語を発音するとき、「ou」の音が標準的なアメリカ人やイギリス人よりも口中の高い位置で発音されます。これは「Canadian raising(カナダ式の舌位上昇)」として知られる、典型的なカナダ英語の特徴です。
一方「owl」の「ow」は、他の国々での発音と同様に「ou」と発音します。というのも、カナダ式に舌の位置を上げるのは特定の子音(具体的には「p」「t」「k」「s」「sh」「f」「th」で、これらは専門用語で「無声子音」と呼ばれています)の前だけだからです。
カナダ英語の語彙
スペルや発音と同じく、カナダ英語の語彙も、イギリス英語とアメリカ英語の両方を受け継いでいます。その筆頭が「z」というアルファベットを指す単語「zed」です(これはイギリス式で、アメリカでは「zee」となります)。
そして、カナダ英語独特の用語も存在します!
カナダ英語 | 意味 |
---|---|
washroom | トイレ アメリカでは「bathroom」または「restroom」 イギリスでは「WC」「loo」または「lavatory」 |
loonie | 1カナダドルの硬貨 |
toonie | 2カナダドルの硬貨 |
chesterfield | ソファ |
all-dressed | ピザやサンドイッチのトッピングを「全部のせ」すること。 |
bachelor apartment | ワンルームマンション |
garburator | 家庭用生ごみ粉砕機 |
tuque | ニットの帽子 |
eh? | 「right?」や「no?」と同等の付加疑問詞。肯定文の最後に付け加えると「~でしょう?/だよね?」の意味となる。 |
そして忘れてはならないのが、先住民族を起源とするカナダ発祥の言葉です。これらの単語は、他の英語方言にまで定着し、使われるようになりました!
- chipmunk(シマリス)
- igloo(イグルー 。雪のかたまりで造るイヌイットの住居)
- kayak(カヤック)
- toboggan(トボガンぞり)
- caribou(カリブー)
英語は知れば知るほど奥深い!
ちょっと変わり者のカナダ英語ですが、その特徴について、イメージできるようになりましたか?これでカナダに行って「Eh?」と言われても、びっくり仰天する心配ナシですね🍁