英語の「~isn’t it?」「~don’t you?」などの付加疑問文は、「~だよね?」という確認や念押しの意味を持ち、ひんぱんに使われる便利表現です。ただし、学習者にとってはそれなりに迷う点も。たった2語であっても、文法的にはチェックポイントが複数あり、文が肯定か否定か、文中にどんな動詞があるか、どの主格代名詞が必要か、などを一瞬にして判断しなければなりません。
それでは、You're ready to learn more about tag questions, aren't you?(付加疑問文に取り組む準備はできていますよね?)英語の付加疑問文の正しい使い方を見てみましょう!
目次
付加疑問文とは?
付加疑問文とは、完成した文の末尾に付加する短い疑問文で、その文が正しいかどうかを確認する意味を持ちます。日本語では「~だよね?」「~でしょう?」などを追加すれば済みますが、英語の場合はもう少し複雑です。...というより、新たな疑問文をまるまる1個作るのと同じ手間がかかります!
英語では、肯定文に対する付加疑問文は、否定形となります。
- You are from Ecuador, aren't you? (あなたはエクアドル出身ですよね?)
- Andrew prefers to eat dinner late, doesn't he? (アンドリューは、夕食は遅めのほうががいいんでしょう?)
- We've checked in already, haven't we? (僕たち、もうチェックイン済ませてあったよね?)
否定文に対する付加疑問文は、肯定形です。
- These boots aren't waterproof, are they? (このブーツは防水ではないんでしょう?)
- The taxi didn't save us time, did it? (タクシー使っても時間の節約にならなかったよね?)
- We can't reserve a table in advance, can we? (事前予約はできないんですよね?)
付加疑問文を作るときに注意する3つの点
ある文に対し付加疑問文を追加するには、文中の動詞・助動詞、代名詞、短縮形という3つの項目を考慮する必要があります。
文中の動詞・助動詞に注目する
英語のYes/No疑問文やWH疑問文と同じように、文中の動詞・助動詞の種類によって、ルールが異なります。ルールは、以下の2種類です。
- カテゴリー1:be動詞の活用形(is、are、wareなど)、助動詞(could、might、will、has seenのhasなど)。
- カテゴリー2:その他の動詞
名詞を代名詞に置き換える
付加疑問文では、文の主語を代名詞に置き換えるので、名詞を適切な代名詞に置き換える練習にもなります! 念のため、英語の代名詞をおさらいしておきましょう。
- You:英語では、youはフォーマルにもインフォーマルにも、単数にも複数にも使える。
- He:Heは男性に使う代名詞で、物には使わない。
- She:女性に使う代名詞で、まれに、物に対して使うこともある。
- It:物(たとえば本やコンサート、あるいは「私の斬新な新しいアイデア」などの概念)に対して使う。
- They:複数の人、または複数の物に対して使う。
「not」を短縮形「n't」にする
否定文の中で「can't」や「doesn't」のような短縮形で使ってからその後に肯定形の付加疑問文を付けたり、肯定文の後に付ける付加疑問文中でこれらを使ったりします。
英語の肯定文に対する付加疑問文
肯定文(何かが真実である、または何かが起こったといった趣旨の文)の後に付加する付加疑問文は、【否定表現の短縮形 + 代名詞】となります。
付加疑問文の正確な公式は、肯定文中の動詞・助動詞の種類によって、2つに分かれます。
カテゴリー1:be動詞または助動詞を使った肯定文での付加疑問文
be動詞の活用形または助動詞を使った肯定文の場合、付加疑問文は【動詞または助動詞の否定の短縮形 + 主格代名詞】となります。
まず、be動詞または助動詞に「n't」を加えます。これは否定の短縮形で、
- Should + not = shouldn't
- Was + not = wasn't
のようになり、次に見ていく「他の動詞+not」でも同様の短縮を行います。
もとの文で主語に対し動詞や助動詞が短縮形でくっつき、「I am」が「I'm」、「I have eaten」が「I’ve eaten」となっていることもあるので、それにも注意してください!
否定の短縮形が作れたら、その後に適切な主格代名詞を加えます。これは、Yes/No疑問文やWH疑問文を作るプロセスとちょっと似ているかもしれません!つまり、付加疑問文で使う代名詞を決めるには、まず文の主語を特定し、その主語に応じた主格代名詞(I/you/he/she/it/we/they)に置き換えるのです。もっとも、文の主語がもともと代名詞だった場合は、変える必要はありません!
- You are from Ecuador, aren't you? (あなたはエクアドル出身ですよね?)
- 肯定の動詞 → 否定の短縮形:are → aren't
- 文章の主語 → 主格代名詞:you → you(変化なし)
- The concert was amazing, wasn't it? (コンサートは素晴らしかった、そうではありませんか?)
- 肯定の動詞 → 否定の短縮形:was → wasn’t
- 文章の主語 → 主格代名詞:the concert → it
- The tour should start now, shouldn't it? (ツアーは今頃から始まるはずですよね?)
- 肯定の動詞 → 否定の短縮形:should → shouldn't
- 文章の主語 → 主格代名詞:the tour → it
- We've checked in already, haven't we? (もうチェックインしたよね?)
- 肯定の動詞 → 否定の短縮形:have → haven't
- 文章の主語 → 主格代名詞:we → we(変化なし)
注意すべき例外は、「I am on time(私は時間通り着いた)」のように、「I am」が文に含まれる場合です。 ルールに従えば「amn't(am+not)」となるはずですが、この形は英語圏の大部分では使われていません。その代わり、付加疑問文では「I am on time, aren't I? 」と言います。(ただし面白いことに、アイルランド方言と一部の英語方言でのみ、「amn't I」と言うことがあります!)
カテゴリー2:他の動詞を使った肯定文での付加疑問文
be動詞または助動詞が使われておらず、他の動詞を使っている肯定文での付加疑問文は、【doの活用形 + 否定の短縮形 + 主格代名詞】となります。
Yes/No疑問文やWH疑問文と同じように、現在形の動詞には「do」「does」を、過去形の動詞には「did」を用い、「don't」「doesn't」「didn't」という否定の短縮形にします。
【doの活用形 + 否定の短縮形】の後に、カテゴリー1と同じルールに従って、文の主語に一致する主格代名詞を加えます。
- Andrew prefers to eat later, doesn't he? (アンドリューはあとで食事するほうがいいんだよね?)
- doの活用形:does
- 否定の短縮形:doesn’t
- 文章の主語 → 主格代名詞:Andrew → he
- His sister traveled separately, didn't she? (彼の妹は別行動で旅行したんでしょう?)
- doの活用形:did
- 否定の短縮形:didn’t
- 文章の主語 → 主格代名詞:his sister → she
- Everyone needs their own boarding pass, don't they? (全員、各自の搭乗券が必要なんですよね?)
- doの活用形:do
- 否定の短縮形:don’t
- 文章の主語 → 主格代名詞:everyone→ they(注:英語ではeveryoneは複数代名詞theyに置き換えられます。)
英語の否定文に対する付加疑問文
否定文に対しては、付加疑問文によって情報が真実ではないことを確認し、付加疑問文は肯定文とします。その通り、肯定文には否定の付加疑問文が付き、否定文には肯定の付加疑問文が付くわけです!
肯定文の場合と同様、付加疑問文のルールは、文中の動詞の種類によって微妙に異なります。
カテゴリー1:be動詞または助動詞を使った否定文での付加疑問文
否定文の最初の動詞が be動詞または助動詞の否定形の場合、付加疑問文は【動詞の肯定形 + 主格代名詞】となります。
まず、be動詞または助動詞の肯定形を文末に加え、 次に、肯定文の付加疑問文の場合と同じように、文の主語に代わる代名詞を追加します。
- These boots aren't waterproof, are they? (このブーツは防水ではないんでしょう?)
- 否定の動詞 → 肯定形:aren't → are
- 文章の主語 → 主格代名詞:these boots → they
- He and his boyfriend weren't disappointed by the schedule, were they? (彼と彼のボーイフレンドは、この日程にがっかりしてはいないですよね?)
- 否定の動詞 → 肯定形: weren't → were
- 文章の主語 → 主格代名詞:he and his boyfriend → they
- We can't reserve a table in advance, can we? (事前予約はできないんですよね?)
- 否定の動詞 → 肯定形: can't → can
- 文章の主語 → 主格代名詞:we → we(変化なし)
- The queue hasn't moved at all, has it? (行列はまったく進んでいないね?)
- 否定の動詞 → 肯定形: hasn't → has
- 文章の主語 → 主格代名詞:the queue → it
カテゴリー2:他の動詞を使った否定文での付加疑問文
カテゴリー1以外の動詞を使った否定文には、【doの活用形の肯定形 + 主格代名詞】を付加します。
肯定文の疑問詞と同様に、現在形の文には「do」または「does」、過去形の文には「did」を使い、その後に主語に代わる主格代名詞を続けます。カテゴリー2の否定文では、すでにdoが活用済みなので、付加疑問文の作成もより簡単に感じるかもしれません!
- American biscuits don't look like English biscuits, do they? (アメリカのビスケットはイギリスのビスケットに似ていないよね?)
- doの否定 → doの肯定:don't → do
- 文章の主語 → 主格代名詞:
- The taxi didn't save us time, did it? (タクシーは時間の節約にはならなかったね。)
- doの否定 → doの肯定:didn't → did
- 文章の主語 → 主格代名詞:the taxi → it
- The souvenir for my mom doesn't fit in my suitcase, does it? (母へのお土産はスーツケースに入らないでしょ?)
- doの否定 → doの肯定:doesn't → does
- 文章の主語 → 主格代名詞:the souvenir for my mom → it
あれ?と思ったら付加疑問文で確認しておこう!
付加疑問文は、どちらかというと上級の英語学習者が学ぶトピックの1つですが、一度に1つの文型に集中して練習しながら、徐々にスキルを強化していきましょう。
英語の付加疑問文の例文
be動詞または助動詞が使われている場合
be動詞
- The directions weren't very clear, were they? (指示はあまり明確ではなかったですよね?)
- You are the first to arrive, aren't you? (あなたが一番に到着したのですね?)
- The whole crowd was surprised, weren't they? (観客全員が驚いていたよね?)
- I'm not going to present first, am I? (まさか僕が最初に発表するわけではないですよね?)
- This building is being renovated, isn't it? (このビルは改装中なんですよね?)
助動詞(動詞に対し能力・可能性・義務・推測などのニュアンスを付加するもの)
- We should check the second suitcase, shouldn't we? (2つ目のスーツケースを確認するべきですよね?)
- Our grandparents can't meet us at the park, can they? (おじいちゃんおばあちゃんは、公園で私たちに会うことはできないんだよね?)
- The photographer could show us the pictures before Sunday, couldn't they? (カメラマンは日曜日までに写真を見せてくれるんですよね?)
- 注:「couldn't they?」の「they」は複数形ではなく、カメラマンの性別がわからないときに使用します。性別がわかっているのであれば「couldn't he/she?」です。
- The team wouldn't practice in the rain, would they? (チームは雨の中では練習しないよね?)
助動詞(時制を表すもの)
- The children haven't tried gelato yet, have they? (子供たちはまだジェラートを試していないですよね?)
- She has designed other bridges, hasn't she? (彼女は他の橋も設計していますね?)
- Our rates will rise in the summer, won't they? (夏には料金が上がるんですよね?)
- You hadn't received a confirmation email, had you? (あなたに確認メールは届いていないんですよね?)
その他の場合
- I don't look like my passport photo, do I? (私、パスポートの写真に似ていないでしょう?)
- The chairs don't fit with the new decor, do they? (その椅子は新しい内装に似合っていませんよね?)
- Her work speaks for itself, doesn't it? (彼女の作品がそれを物語っている、そうでしょう?)
- The puppy didn't create this mess, did he? (その子犬がこの混乱を招いたわけではないだろう?)
- 注:子犬がメスであれば付加疑問文は「did she?」となり、話し手が自分と子犬の間に距離を置くのであれば「did it?」と言うこともできます。
- The performance doesn't usually begin on time, does it? (通常、公演は時間通りに始まらないものですよね?)