複数の言語を操る人を「ポリグロット」と呼びます。では、「ハイパーポリグロット」という言葉は聞いたことがありますか?ハイパーポリグロットとは、非常に多くの言語を話す人々を指します。ただし、この言葉の定義には幅があり、少なくとも6か国語という人もいれば、11か国語以上という人もいます。

いずれにせよ、私は、自分をハイパーポリグロットの一人であるとみなしています!私はフランス語だけを話す家庭で育ち、中学校で英語を学び始め、続いてドイツ語、ラテン語、古代ギリシャ語、そしてイタリア語を学びました。その後も絶えず新たな言語に挑戦し続け、これまでに21か国語を勉強してきました。その中には数十年間勉強し続けている言語もあれば、ほんの数か月間というものもあります。

このブログでは、プロの言語学習者として、また教師として、私が長年にわたり蓄積してきた学習のポイントや、上級学習者向けのとっておきのアドバイスを5つにまとめてみました。

学習のポイント①:なぜその言語を学びたいのかを明確にしよう

自分が言語を学ぶことで何を達成しようとしているのかを認識することで、学習のモチベーションが高まることが多くあります。たとえば、私がトルコ語を短期集中で学んだときには、会話や観光といった動機に加え、もっと大きな目的がありました。それは、論文のためのデータ収集です。当時、プロジェクトを一気に完了させるか、それとも翌年に持ち越すかという瀬戸際にあったこともあり、語学にも集中して取り組むことができました。このように自分のモチベーションを理解し、常に念頭に置くことで、困難に直面しても前に進み続けることができます。

学習のポイント②:少しずつでいいから継続しよう

私の経験では、特に上級者でない限り、週に1回、3時間まとめて勉強するよりも、1日15分の練習時間を毎日確保した方が、効率的に言語を習得できます。お金が複利で増えていくようなものだと考えてください。退職の直前に一気に貯金するよりも、毎月少しずつ長期で積み立てていく方が、はるかに効果的です。

耳を澄ませて、遠くの何かの音を聞いているクマのイラスト

学習のポイント③:自分の会話を録音してみよう

これは私のお気に入りの学習方法の一つで、自分がその言語を話しているのを録音し、これを聞いて自分自身にフィードバックするというものです。もちろん、他の人に聞いてもらってもOK!好きな話題について適当に話すこともあれば、電話中に自分の声を録音することもあり、また、友人と話すときに「会話を録音してもいい?」と尋ねることもあります。録音を聞くことにより上達を体感することができるので、とても励みになります。その一方でどんな間違いをしたか、どんな状況で言葉に詰まったか、そして何が聞き取れなかったのかを改めて聞き返すことによって、問題点をあぶりだすことができます。この技は、問題にきちんと向き合い、次の機会に使える語彙や言い回しを増やすのに最適です!

学習ポイント④:自分に優しくなろう

語学において、自分自身に対し過度に厳しくなることは逆効果です。むしろ、自分で自分の努力や上達をねぎらってあげましょう。次の点を参考にしてみてください。

  • 新しい言語で正確に、無理なく表現できるようになるには、とにかく時間がかかるということを忘れないこと。「表現が正確であること」と「無理なく話せること」は、ときに相反します。あせらず、現実的な目標を設定しましょう。
  • 期待したほど早く目標を達成できなくても、がっかりしないこと。
  • 1年、2年、ときには15年も学習しているのに発音が思うようにできなかったからといって、自分を責めないこと。発音を完璧にしようと頑張りすぎるのもNG。常に不安を抱えていては、かえって上達が遅れます。
  • 間違いは学習プロセスの健全な一部なので、むしろ歓迎し、改善のきっかけと考えること。
  • 他の学習者と比べないこと。上達の早い遅いにかかわらず、続ければ必ず上達するのが語学です!

学習ポイント⑤(上級者向け):真似たいと思うような「理想の話し手」を見つけよう

すでにある程度学習が進んでいて、スピーキングの能力を磨きたいという場合は、モデルとして誰かを選び、その人の話し方を真似てみるのも良い方法です。私は、複数の点で共通する人(受けた教育のレベル、性別、そして可能であればファッションのセンスまで含めて、自分と感性が似ている人)をモデルに選ぶようにしています。学習中の言語の話者が周りに沢山いれば、モデルを見つけるのは簡単ですね。しかしそうではない場合は、オンラインプラットフォームなどを使いましょう。この方法で、「何を伝えたいか」だけでなく「どのように言い表すべきか」といった、より繊細な表現能力を身につけることができます。これは、通常の学習方法では見逃しがちな、言語や文化の重要な側面です。

私からのアドバイスは以上です。明日からぜひ、言語学習に活用してみてください!