新しい言語を使うとき、自分のこと、家族・友人のこと、経験や予定についていろいろと話したくなりますよね。特にイタリア語を学ぶ人は、きめ細かい「所有の表現」を学ぶ必要があります。今回のブログでは、イタリア語の所有表現の仕組みとその用法を、名詞の種類ごとに解説します。

所有形容詞とは?

所有形容詞とは、「誰のものか」を示す言葉です。日本語で言うならば「私の宿題」「あなたの家」「彼の車」などが相当し、「所有格」とも呼ばれます。

イタリア語の所有形容詞の特徴

イタリア語では、所有形容詞は「持ち主が誰か」によって変化します。たとえば、私が飼い主なら 「il mio cane」、飼い主が第三者なら 「il suo cane」、複数人で飼っている場合は「il nostro cane」というように使い分けます。

そして、イタリア語の所有形容詞には、日本語の所有を表す表現とは大きく違う点がいくつかあります。

  • 一般的には冠詞(il や la など)と一緒に使われる。
  • 名詞の文法上の性(男性名詞か女性名詞か)によって形が変わる。
  • 名詞が単数か複数かによっても変化する。

日本語では、どんな名詞に対しても「誰のものか」だけを示せばいいのですが、イタリア語の所有形容詞は、所有される名詞に関する情報までも含んでいるのです。

イタリア語の所有形容詞一覧

イタリア語では、文法上の性(男性・女性)、数(単数・複数)、そして人称(6種類)の組み合わせによって、合計24通りの所有形容詞があります。

男性単数 女性単数 男性複数 女性複数
私の il mio la mia i miei le mie
あなたの il tuo la tua i tuoi le tue

彼女
それの
il suo la sua i suoi le sue
私たちの il nostro la nostra i nostri le nostre
あなたたちの il vostro la vostra i vostri le vostre
彼ら
彼女らの
il loro la loro i loro le loro

イタリア語の所有形容詞の例をいくつか紹介します。

イタリア語 日本語
la mia camicia
i miei gatti
私のシャツ
私の猫
il tuo piatto
le tue cose
あなたのお皿
あなたの物
il suo naso
i suoi occhi
彼/彼女/その鼻
彼/彼女/その目
la nostra macchina
le nostre tazze
私の車
私のカップ
il vostro giardino
le vostre cucine
みんなの庭
みんなのキッチン
il loro lavoro
le loro passioni
彼らの仕事
彼らの情熱

お気づきでしょうか?「彼」「彼女」「それ」のいずれにも、同じ所有形容詞が使われていますね。たとえば「il suo amico」は、「彼の友人」にも「彼女の友人」にもなり得ます。誰のことを指すのかは、文脈から判断する必要があります。

重要な例外:家族を表す場合

家族を表す名詞を使う場合、イタリア語では冠詞をつけません。所有形容詞を名詞の前にそのまま置くだけです。たとえば「私の父」は「mio papà」で冠詞「il」はなし、「私の母」は「mia mamma」で、こちらも冠詞「la」なしとなります。

ただし、複数の家族を指す場合や、何らかの形容詞を使ってその家族の特徴を説明する場合には冠詞が必要となります。なお、「famiglia(家族)」という単語はあくまで家族全体を表し、日本語の「家族」のように家族の一員を表すために使うことはできません。

単数で別の形容詞がつかない場合 複数、または別の形容詞が付く場合
Mia figlia studia francese.
私の娘はフランス語を学んでいま⁠す。
La mia figlia bionda studia francese.
私の金髪の娘はフランス語を学んでいま⁠す。
Suo figlio vive a Roma.
彼の息子はローマに住んでいま⁠す。
I suoi figli vivono a Roma.
彼の息子たちはローマに住んでいま⁠す。
Nostro nipote è un dottore.
我々の孫は医者で⁠す。
I nostri nipoti sono dottori.
我々の孫たちは医者で⁠す。

Mamma mia(マンマ・ミーア)はもうひとつの例外

ミュージカルで有名な「mam­ma mia(マンマ・ミーア)」 という表現はさらに特殊で、上で説明したルールにも当てはまりません。

「mamma mia(私の母)」 や「caro mio(私の愛しい人)」のような感情のこもった表現では、所有形容詞は名詞の後に置かれ、冠詞は使いません。

この語順は「家」を表すときにもよく使われます。たとえば「casa mia(私の家)」や「casa tua(あなたの家)」は、「la mia casa」や「la tua casa」より一般的です。やはり「わが家にまさる場所はなし」ですね!

イタリア語の所有代名詞も、これでバッチリ!

所有代名詞とは、「所有形容詞 + 名詞」を一語で置き換える言葉を指します。たとえば「The new car is mine.(その新しい車は私のものです)」のように、同じ名詞を繰り返すかわりに「〜のもの」と表すのです。幸いなことに、イタリア語では所有形容詞と全く同じ形をとるため、新しい単語を覚える必要はありません。所有代名詞として使う場合、冠詞はあってもなくても構いません。

所有形容詞 所有代名詞
Il mio cane è carino.
私の犬はかわいいです。
Il cane è il mio. / Il cane è mio.
その犬は私のです。
La tua macchina è rossa, vero?
あなたの車は赤ですよね?
La maccina è la tua. / La macchina è tua.
その車はあなたのです。
Le nostre sedie sono nuove.
私たちの椅子は新しい。
Le sedie sono le nostre. / Le sedie sono nostre.
その椅子は私たちのです。

さあ、今度はあなたの番です!

ここで紹介した表現を練習していけば、イタリアの友人に自分のことをどんどん話せるようになりますよ!