言語学習では、まず語彙、文法、発音を覚える必要があり、場合によってはアルファベットだけでなく、未知の文字体系を学ばなければならないこともあります。そして、多くの言語には独自の文字体系があります。ロシア語などのスラブ系言語であればキリル文字、日本語ならば平仮名やカタカナがそうです。今回のブログで取り上げるのは韓国語の文字体系、ハングルです。それではハングルの世界に飛び込んでみましょう!
ハングルには24種類の母音や子音があり、これらを組み合わせて一つの文字を作り、それがそのまま音節を表します。例えば、「ハングル」は日本語の発音では3音節[ハン/グ/ル]となりますが、これを韓国語で書くと「한글」となり、2文字なので2音節となります。
Duolingoでは、より多くの人にハングルに親しんでもらえるよう文字体系学習ツールを開発しました。残念ながら日本語版にはまだ対応していませんが、学習言語の一覧から英語話者向けの「Korean」を選択すると、英語版でこの機能が使用できます。
他にも、ハングルには面白い特徴がいろいろあります。韓国語を学習中の人にも、ちょっとだけ興味がある人にも、知っておくと役立つハングルの基礎知識5つをご紹介します。
1. 母音と子音を表す記号を組み合わせると文字になる
多くの人が、ハングルは1日で習得できると言います。「1日で」は少し大げさかもしれませんが、そう言ってもいいほど仕組みがシンプルで、覚えるのが簡単なんです!
たとえば英語の「a」の発音には、「father[ファザー]」「about[アバウト]」「age[エイジ]」など、数多くのバリエーションがあり、すべてをマスターするには、相当の時間が必要です。しかし、韓国語にその問題はありません!母音や子音を表す記号は、それぞれ音が決められているからです。たとえば、長く発音したときに[ア]の音で終わる文字には、必ず「ㅏ」が含まれます。 すっきりとしたルールですよね!
そして、タイピングも実に簡単です。韓国語キーボードは、母音や子音を入力すると、それらを積み重ねて自動的に文字にしてくれるんです!キーボードレイアウトも単純明快で、子音が左側、母音が右側にまとまっています。
2. 子音の形は、舌の形を表している
ハングルの子音は、それを発音するときの舌の形を模しています。実際に舌の形を見るのは難しいかもしれませんが、これは、専門家により確認済みの事実です。なんとも合理的ではありませんか!
例えば、子音「ㄱ」([g]あるいは[グ]の音)を発音する際には、舌の裏が上がって口の奥に触れます。このとき、舌は「ㄱ」の形になっているんです!
3. ハングルは識字率を上げるために作られた
ハングルは、1400年代に朝鮮王朝第4代の王である世宗[セジョン]が作りました。当時、韓国語の表記には中国の表記体系である漢字が使われていました。ところが漢字は、覚えるのが難しいだけでなく、一般市民が実際に話していた発音ともかけ離れていました。世宗は、識字率を向上させ、誰もが苦情を申し立てたり、手紙を書いたり、記録を作成したりできるような、韓国語に最適な文字体系を作ろうとしたのです。
4. 縦書きの習慣があった
韓国語はもともと、上から下に書くのがルールでした。現在では左から右へと書く方法が主流となりましたが、たとえば韓国で開かれる国際映画祭では、今でも縦書きを目にすることがあります。英語の字幕と韓国語の字幕の両方が必要な場合、英語は画面の下に横書きで表示し、韓国語は画面の右側に縦書きで表示するのが通例となっています。
5. 「ハングルの日」がある
韓国では毎年10月9日が「ハングルの日」として祝日になっています。ハングルという画期的な文字体系は、訓民正音(一般の民に正しい発音を教えること)を目的に作られ、1446年のこの日に正式に布告されました。5世紀経った今でも、この文字体系は変わらず使用されています。
皆さんも学習を始めてみませんか?
Duolingoの韓国語コースは、日本語話者の間で2番目に、また世界でも7番目に人気のある言語です。特に英語版の韓国語コースは最近アップデートされ、より日常的な会話に重点を置きつつ、少し難しい表現を学ぶための練習問題も追加されました。英語版ホーム画面下の한と書かれたタブをクリックするとハングルの文字体系を学ぶツールに切り替わり、より効率良く学習できるようになっています。
ぜひみなさんも、世界的に流行中の韓国語にチャレンジしてみてください!