「Duolingoへの質問」へようこそ。このコラムでは言語学習者へのアドバイスをご紹介します。過去の記事はこちらをご覧ください。

こんにちは!世の中には、語学学習に関する都市伝説が数多くありますが、今週はその一つについてお答えします。というのも、ある学習者から、語学にまつわる典型的な誤解について、良い質問があったからです。 この質問の答え自体は一言で終わるのですが、むしろその理由のほうが大事なので、詳しく説明していきます。それでは見てみましょう。

今週の質問

その手の話は(そして広告や動画も)私も耳にしたことがあります。結論から言えば...

💡
外国語は、6か月ではマスターできません。

ここで記事を終わろうかとも思いましたが、学習者の皆さんはきっと「なぜ不可能か」という根拠を知りたいですよね。また、その根拠となる事実の中に、目標達成への近道となりうるヒントがたくさん隠れています。ただし、近道を通ったとしてもそれなりの時間が必要だということも、否定できない事実です...。

6か月で外国語をマスターできる?

今度は皆さんも一緒に、大きな声で言ってみましょう。「できません!

なぜ、6か月では外国語をマスターできない?

皆さんは今、「できないとわかってよかった!」と安堵のため息をついていることでしょう。それにしても、不可能だというその根拠は?

理由のひとつは、「外国語をマスターする」という言葉の解釈は人それぞれである故に、都合よく解釈した場合、実際にはそうでなくても「マスターした」と実力を盛ることもできてしまうからです。ある言語を「流暢に話せる」というのは、単に話せるということとは違います。私はいつも「2か国語を流暢に話せる」と自己申告しますが、他の多くの言語でも「会話する」ことならできます。たとえばイタリアにいる間、私は間違いだらけであろうイタリア語で話しかけまくり、それでも現地の人は私の言いたいことをわかってくれ、私も彼らの言うことをだいたい理解できました。しかし私は、イタリア語の本を読むことも、イタリア語のニュース番組を理解することも、イタリア語で仕事をすることもできません。では、私のイタリア語は「流暢」と言えるでしょうか? 🤷‍♀️ そう言ったとしたら、それは盛りすぎです!

また、そもそも覚えることの数が、数か月で学ぶには多すぎるということもあります。語学で学ぶ内容を語彙・文法・発音に分類し、それをさらに「話す」「読む」「書く」「聞く」というスキルにも分解すると、膨大な項目のリストになることが想像できると思います。(Duolingoアプリの英語コースの各セクションを開いてみれば、この感覚をつかむことができるかもしれません。学ぶスピードについては、この記事でも取り上げました。) 最高レベルの習熟度に達するには、言語や学習方法に関係なく、数年にわたる継続が必要です。

「6か月でペラペラに」という表現は、多くの場合「怖がらずに使えて、意思疎通ができるようになる」という意味です。そしてこのレベルであれば、実際に到達可能なのです!

でも、ものすごく上達が早い人もいるのでは?

もちろん、短期間で驚くほど進歩する人もいます。考えられる理由をいくつか挙げてみましょう。

語学学習の経験が豊富である
ひとたび第2言語を習得すれば、第3、第4言語を学ぶのはもっと簡単になります! パターンを見つけ、組み合わせや活用を予想できるようになるだけでなく、自分なりの「言語学習のコツ」が身についてくるためです。

具体的な目標がはっきりしている
ホストファミリーと話したい、サッカーチームで友だちを作りたい、特定の誰かにすごいと思われたいなど👀

言語学習能力が例外的に優れている
確かににそういう人もいることはいますが、多くはありません!「普通の」学習者がほとんどであって、例外的な能力を持つ人はあくまで例外です。

じゃあ凡人は、ゆっくり学習するしかない?

語学学習の天才に見える人のほとんどは、言葉を実際に使ってみるのが普通の人よりも上手なだけです。この天才たちが最初の数週間~数か月の間にひそかに実践していることは、通常、私たちの目には見えていません。そのため、あっという間に習得したかのような印象を受けてしまうのです。

では、彼らは何を実践しているのでしょう?

💡
あっという間に語学を習得しているかのように見える学習者は、学ぶために体当たりしまくっている。

初日から話す
会話できるレベルに到達するには、ほとんど何も知らない状態で学習を始めた初日から、すぐにその言語を使うのが得策かもしれません! 限られた語彙とわずかな文法規則を使って表現することは、それ自体が一種のスキルで、そこに至るまでが大変かもしれません。ただしそのスキルがさらなる上達への足掛かりとなるため、苦労するだけの価値があります。「十分な知識を得るまで待ってから...」などと考えていては、いつまでたっても始められません!

間違い上等!
文字通り、この学習者たちは間違いを恐れません。むしろ間違うのが自然であり、語学の上達には避けて通れない道です。重要なのは100%正確であることではなく、知っていることは使い、知らないことは説明できるようになることです。これは、疑問を解決し、文章を作るのが上手になり語彙を覚えやすくし、ネイティブ・スピーカーと会話する機会を増やすのに役立ちます。

没頭する
自分の国にいようが外国にいようが、あの手この手で学習中の言語を使う機会を見つけ、その言語だけで色々なことにチャレンジします。私の留学仲間のうち、最も語学の上達が早かった人たちは、同じ国の人同士で群れたりせず、さっさと現地の友人を作って外へ出ていきました(私はこれをせず、後悔しています。皆さんはどうか、この教訓を学んでください...🫣)。自分の家でも学習中の言語の音楽に合わせて歌ったりお気に入りの番組を吹き替えや字幕で見たり、自分が知っている単語だけを使ってちょっとした架空の会話を書いてみたりしましょう。また、最初は2分間、次に5分間というように、少しずつ話す時間を増やしていくのも良い訓練です。話す相手は友達でも、犬でも、鏡に向かって自分自身にでもかまいません。学習中の言語だけを使って、どのくらい長く続けられるか試してみましょう!

時間を投資する
1日1レッスンすればDuolingoアプリの連続記録は維持されますが、本気で学ぶのであれば、それ以上の時間が必要になります。Duolingoのコースにあるセクションとレベルを基準に、自分に合った学習計画を立て、語学に集中する時間を確保しましょう。例えば、ドイツ語を勉強する期間が4週間しかなかったとき、私は1日30~60分のDuolingoレッスンに加えて、自分で自分に向かってしょっちゅう話しかけるという作戦を取りました。

外国語学習は飛び込んだ者が勝ち!

「あっというまに外国語をマスターした人」やその人たちについての噂から学べる教訓は、学習を始めたらすぐにその言語を使いはじめて、できるだけたくさん使うこと。これに尽きます!

言語や学習に関するご質問は、dearduolingo@duolingo.comまでメールでお問い合わせください。