「Duolingoへの質問」へようこそ。このコラムでは言語学習者のためのアドバイスをお届けします。過去の記事はこちらからご覧いただけます。

学習者の皆さん、こんにちは!今週は、筆者の大好きな言語学習メソッドについての質問です。でもこれ、実は一見カンタンそうに見えて、やってみると意外と難しかったりするんですよね……👀 それでは、さっそく内容を見ていきましょう!

今週の質問

「Duolingoに質問です。スペイン語の映画を見れば勉強になると思ったのですが、すごく苦戦しています!どうして映画を理解するのってこんなに難しいんでしょうか?映画大好きより」という文字が書かれた、お手紙のイラスト。

映画やテレビ、音楽などのエンタメが、言語を習得するのに最高のツールであることは間違いありません!新しい単語やスラング、慣用句(イディオム)だけでなく、その国の文化に関するたくさんの情報まで学ぶことができます。……でも、特に最初のうちは、そう簡単にいかないこともありますよね。新しい言語でエンタメやメディアに触れるのが、なぜこんなにも難しく感じられるのか。今回は、その理由と「それでも絶対に続けるべき理由」を解説していきます!💪

話し言葉は、書き言葉よりも難しい

ほぼすべての学習者にとって、そしてどんな状況であっても、話し言葉(手話も同様です)を理解することは、文字で書かれたものを読むよりもはるかに難しいものです。なぜなら、生身の言葉はその瞬間に空中に消えてしまうため、理解するにはその場で瞬間的に処理しなければならないからです。そうこうしている間にも、次の言葉がどんどん繰り出されていきますよね。さらに、話し言葉には単語と単語の間に「スペース(空白)」がありません。言葉は途切れなくひと繋がりの流れであるため、どこで1つの単語が終わり、どこから次の単語が始まるのかを初心者が見極めるのは、本当に至難の業なのです。

それでも挑戦してみるべき理由

多くの学習者にとって、実際に人と直接会話をすることは大きな目標ですよね。だからこそ、リスニング力を磨くことに意味があります!映画やテレビ、音楽は、自分のペースで練習するのに最高のツールです。なにしろ、聞き取れなかったところは何度でも巻き戻して再生できますからね!😅

少しでもラクに楽しむためのコツ

  • やはり「繰り返し」が鍵です!パッと頭の中で処理できなかったシーンやセリフ、曲の一節を、それぞれの単語がはっきりと聞き取れるようになるまで、何度も繰り返し再生してみましょう。
  • 「話し言葉」をテキスト化してみる。これは、ちょっとしたズルのように思えるかもしれませんが、初めて聴くアーティストや俳優の言葉、あるいは学びたての言語のときには、これが大いに役立ちます。文字を目で追うことで、途切れなく続く長いセリフを、脳が自然な塊ごとに区切って理解しやすくなるからです。まずは歌詞カードを見ながら聴いたり、字幕をオンにして動画を観たりして、「あ、こう言っているのか!」とピンとくるまでやってみましょう。それができたら、今度は字幕をオフにして、もう一度見たり聴いたりしてみてくださいね!

エンタメやメディアの言葉はカジュアル

スクールや家庭教師、Duolingo、どのような方法であっても、最初に学ぶ言葉はメディアで耳にする言葉よりも、ずっと丁寧なことが多いものです。そして、それにはちゃんとした理由があります。

学習者が最初に学ぶのは、丁寧すぎず、くだけすぎない、ちょうど良い表現です。なぜなら、どんなシチュエーションにも対応できる語彙や文法を身につける必要があるからです。とはいえ、続けていくうちにカジュアルな表現もちゃんと身についていきますよ。

私たちが普段日本語で交わしている自然なコミュニケーションは、「基本のルール」からは大きくかけ離れていますよね。普段、日本語を話すとき、どれだけ完璧な文法を使っているでしょうか?試しに意識してみると、驚くほど少ないはずです!日本語でお腹がすいているか聞くとき、「あなたはお腹が空いていますか?」とは言わず、「お腹すいた?」や「ご飯は?」と言う方が普通ですよね。それでも、学習者は疑問文を作るための正しいルールをまずしっかり知っておくことが欠かせません。さらに、エンタメやメディアでは教科書には載っていないスラングや慣用句(イディオム)も盛りだくさんです。

それでも挑戦してみるべき理由

ネイティブスピーカーと実際に交流するとき、こういったカジュアルな表現は絶対に耳にすることになります!自分ですぐに使いこなせるようになる必要はありませんが、聞いてみて「あ、こういう意味だな」と認識し、理解できるようになっておくことは、とても役に立ちますよ!

少しでもラクに楽しむためには

  • まずは、すでに内容をよく知っている作品から視聴してみましょう!お気に入りの映画や海外ドラマを、学習中の言語の「吹き替え」で観てみるのがおすすめです。これなら、ストーリー展開やキャラクター同士の関係性をすでに把握できているので、ハードルがグッと下がります。また、自分が詳しいテーマの番組を探すのも効果的です。話の流れについていきやすくなるので、その分、脳が新しい言語の情報を吸収しやすくなります!
  • 学習中の言語で発信しているコンテンツクリエイターをフォローするのもおすすめです。普段SNSをスクロールしているときに、学習中の言語のショート動画が流れるようにすると、日常的な表現をこまめにインプットできます。最初は、動画にキャプションをつけてくれているアカウントを探すか、自動字幕機能を活用してみましょう(TikTokなら、右側にある「字幕」ボタンをタップ!)。

エンタメやメディアは、あらゆる要素が一気に詰まっている

生きたメディアに触れるのが学習者にとって難しいもう一つの理由は、特定の文法トピックだけに焦点が当たるわけではなく、これまで学んだすべての文法や語彙を総動員する必要があるからです。だからこそ、Duolingoで毎日コツコツとレッスンを進めることには大きな意味があります。Duolingoでは、レッスンを進めるにつれて覚えた単語や文法がいろいろなパターンで組み合わさって登場していきます。同じような言葉の組み合わせは、ストーリーDuoRadio(デュオラジオ)、そしてビデオ通話機能の中でも気付けるようになりますよ。(つまり、連続記録を伸ばすためだけに最初の方の簡単なレッスンばかりを繰り返していても、こういった生きた言葉に触れる機会は得られないということですね!🫣)

それでも挑戦してみるべき理由

日常生活でコミュニケーションをとる際、周囲の人々の言葉を理解するにしても、自分の考えを表現するにしても、さまざまなトピックにわたる語彙を使い、時制を頻繁に切り替えることになるでしょう!

少しでもラクに楽しむためには

  • 新しいレッスンに取り組み、学習を前進させましょう!
  • また、リーディングの機会を増やすことも効果的。リーディングは、話し言葉のように時間的なプレッシャーを感じることなく、シンプルな表現から高度な表現まで、さまざまな言葉の組み合わせにじっくりと触れることができます。

メディアは文化的背景の知識が必要

たとえ特定の映画や楽曲に出てくる語彙や文法、アクセントなどをすべて完璧に分かったとしても、言語にはそれ以上のたくさんの要素が詰まっていますよね。私たちの日常会話には、子ども時代のポップカルチャーから、今話題になっていること、さらには映画、本、政治などに出てくる場所や人物の話題に至るまで、ありとあらゆる文化的背景が凝縮されているからです。映画やアルバムの持つすべてのニュアンスを真に理解できるようになるには、その言語が話されているコミュニティそのものや、その歴史、価値観、関心を寄せている話題など、多くのことを知っていることが鍵になります。

それでも挑戦してみるべき理由

たとえ最初からすべての背景や元ネタを理解できなくても、大丈夫です。そもそも、その言語のメディアに触れている一番の理由は、そのコミュニティについて知るためであるはずだからです!自分から進んで同じような文化的背景を踏まえた表現を使いこなせるようになるには、まだまだ長い時間がかかって当然ですし、それで全く問題ありません。ただ、よくある定番の文化的背景を知っておくだけでも、現地の人々の会話や広告、ユーモアなどを理解する上で、大きな助けになりますよ!

少しでもラクに楽しむためには

  • わからないことは、調べてみましょう!メディアに出てきた人名や地名のWikipedia記事を探してみましょう。あるいは、Redditで「90年代〜2000年代の懐かしの子供向け番組」についてのスレッドを覗いてみるのも面白いかもしれません。そのカルチャーが生まれた背景が書かれたニュース記事なら、日本語で書かれたものであっても、読むと大きなヒントになりますよ。
  • ストーリー展開や歌詞の核心となる箇所でなければ、すべてを完璧に理解できなくても大丈夫!日本語でさえ、親世代や、年の離れた弟、妹が使う言葉にピンとこないことは極普通のことですよね 🤷🏻‍♀️別に誰かからテストされているわけではありません。気楽にエンタメを楽しみましょう!

馴染みのない「方言」は聞き取りづらい

すべての音楽、映画、テレビ番組は、どこかしらのなまりや方言で語られています。100%の標準語なんてものは存在しないので、メディアに触れるということは、必然的に「どこかの地域のリアルな言葉」を耳にすることになるのです。だから、聞き取りやすいものと、そうでないものがあって当然。実は、ネイティブだって同じなんです!アメリカの英語話者が、イギリスの番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』を観るとき、英語の字幕をつけることがあるのを知っていましたか?

日本語と同じように、外国語でも「聞き慣れていく言葉」と「そうでない言葉」が出てきます。よく関わるコミュニティ、大好きになった映画監督、憧れの旅行先、あるいは最近ヘビロテしている特定の国の音楽。そうした出会いを通じて、その地域の言葉のリズムや、文化的背景、スラングに、他の地域よりもどんどん詳しくなっていくはずです。それは決して悪いことではありません。それどころか、言語を学ぶ上で最も美しく、素晴らしいサプライズの1つなのです。だって、それこそが、あなたが新しいコミュニティの仲間入りを果たした証なのですから! 💚

それでも挑戦してみるべき理由

たとえほとんど特定の場所にしか旅行しなかったり、ほとんど同じ方言グループの人たちとしか話さなかったりするつもりだったとしても、私たちはどうしても、あらゆるバックグラウンドを持つ人たちと関わることになるものです。パリは世界中から人々が集まる国際都市ですし、ニューヨークにいるのはニューヨーカーだけではありません。リオデジャネイロにも世界各地から人が押し寄せます。そして、あなた自身もまた、その多様な言葉のミクスチャーに加わる一人になるのです!たとえ「自分は特定の国にしか旅行しない」「あの地域の言葉だけ話せればいい」と思っていても、現実には世界中のありとあらゆるバックグラウンドを持つ人々と出会うことになります。パリは世界中から人が集まる国際都市ですし、ニューヨークにいるのは生粋のニューヨーカーだけではありません。リオデジャネイロだって、地球のあちこちから旅人が押し寄せます。そしてあなた自身もまた、言葉の混ざり合う「るつぼ」に加わっていくのです!

少しでもラクに楽しむためには

  • なまりや方言の慣れ具合に合わせて、吹き替えと字幕の組み合わせを工夫し、理解の助けにしましょう。
  • 同じ地域やバックグラウンドを持つ映画、テレビ番組、アーティストの作品を選ぶことで、特定のなまりやアクセントに的を絞ってみましょう。そうすれば、その聞き取りに耳を慣らしていくことができますよ!

✨映画の魔法✨を学習に取り入れよう

新しい言語で映画を観たり音楽を聴いたりすることに、気後れする必要はありません!それは十分に挑戦する価値があることであり、語学の習得だけでなく、脳の活性化、そして何よりモチベーションを保ち続けるためにも、きっと大きなプラスになりますよ🎬

言語や学習に関するご質問は、dearduolingo@duolingo.comまでメールでお問い合わせください。